岸の柳(読み)キシノヤナギ

デジタル大辞泉 「岸の柳」の意味・読み・例文・類語

きしのやなぎ【岸の柳】

長唄杵屋梅彦作詞、3世杵屋正次郎作曲。明治6年(1873)発表隅田川柳橋本所あたりの江戸情緒と夏の風物を描いたもの。

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精選版 日本国語大辞典 「岸の柳」の意味・読み・例文・類語

きしのやなぎ【岸の柳】

  1. 長唄。柳屋梅彦作詞。三世杵屋正次郎作曲。明治六年(一八七三)発表。夏の隅田川、柳橋、本所あたりの情景を描写した粋(いき)な曲。

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改訂新版 世界大百科事典 「岸の柳」の意味・わかりやすい解説

岸の柳 (きしのやなぎ)

長唄の曲名。杵屋(きねや)梅彦作詞,3世杵屋正次郎作曲。端唄風長唄。1873年6月に東京の東両国の貸席で初演。柳橋から両国にかけての隅田川河畔の夏の情景を軽く明るく粋に作曲。曲の由来には2説あり,船宿近江屋の娘が近所古着屋の息子と心中しかけたが助けられ結ばれた祝いとも,また鳴物師岸田伊左衛門が思いかなって柳橋の近江屋の芸者と夫婦になった祝いとも言う。後説では岸田の岸と柳橋の柳とをとって題名にしたという。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岸の柳」の意味・わかりやすい解説

岸の柳
きしのやなぎ

長唄(ながうた)の曲名。1873年(明治6)6月初演。杵屋(きねや)梅彦作詞、3世杵屋正治郎作曲。夏の大川端(隅田(すみだ)河畔)の風景を歌ったものであるが、柳橋の船宿の娘と近所の古着屋の息子が心中するところを助けられ、めでたく結ばれた記念に作曲されたという。短い曲であるが、曲名はよく知られている。音楽的にはとくに独特な点もなく、「佃(つくだ)の合方(あいかた)」を模した旋律を前弾きと終結部に用いて、全体をあっさりとつくっている。三味線調弦は、本調子→三下り→本調子。

[茂手木潔子]

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