朝日日本歴史人物事典 「岸竹堂」の解説
岸竹堂
生年:文政9.4.22(1826.5.28)
幕末明治期の日本画家。彦根藩士の子。彦根生まれ。名は昌禄。初め同藩の御用絵師に狩野派を学んだのち,天保13(1842)年京都に出て狩野永岳に入門。翌年岸連山に入門して岸派を学び,嘱望されてその養嗣子となる。幕末には二条城や内裏に揮毫するが,明治維新後の画壇沈滞期には,友禅の下絵も描いた。「大津唐崎図」(個人蔵)など遠近表現をとり入れた実景山水も描いたが,岸派の伝統を継いで虎を得意とし,明治23(1890)年第3回内国勧業博覧会,26年シカゴ万博で受賞している。29年帝室技芸員となった。
(佐藤道信)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報