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陰影法 インエイホウ

世界大百科事典 第2版の解説

いんえいほう【陰影法】

光線で物体を照らしたときに,物体の置かれた台の上にできる暗部を影shadow,物体それ自身の表面にできるものを陰shadeといい,これらを描写する絵画の技術を陰影法と呼ぶ。これは,空間内の物体を人間の目が認識した場合のビジョン(視覚)の再現に不可欠の要素である。光学と幾何学の分野には,その科学的な投影理論の図式(陰影図法)がある。ギリシア,ローマではすでに個体の量感を出すための陰影法があったが,ルネサンス(L.B.アルベルティ)にいたり,統一的空間内に一定の光源をもつ光線をあて,物体相互の関連と,空間内を満たす空気を表現する科学的な陰影法が発展した。

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世界大百科事典内の陰影法の言及

【光】より

…しかしその中でもバロックの彫刻は,ベルニーニ作の《聖テレサの法悦》のように,聖性の暗示,劇的効果の達成のため,周囲の現実の光を十二分に活用している。 最後に日本と中国について付言すれば,仏画や水墨山水画の場合,対象を隈取って立体感を暗示する一種の陰影法があるものの,具体的光源は想定されておらず,むしろ西洋絵画におけるような光の表現がないことが日本・中国美術の一特色であろう。ただ,桃山から江戸初期の金碧障壁画の金地の広がりは,金箔という物質に翻訳された光そのものであり,日本美術において光の効果が意識的に追求された稀有(けう)な例といえるだろう。…

※「陰影法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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