峙つ(読み)ソバダツ

デジタル大辞泉 「峙つ」の意味・読み・例文・類語

そば‐だ・つ【×峙つ/×聳つ】

[動タ五(四)]《「そば立つ」の意。古くは「そばたつ」とも》
山などがかどばって高く立つ。そびえる。
けわしい岩山が壁のように―・っている」〈宙外独行
かどが立つ。
ことば―・つ親と親」〈浄・妹背山
[動タ下二]そばだてる」の文語形
[類語](1聳えるそそり立つ切り立つ屹立聳立対峙巍巍ぎぎ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「峙つ」の意味・読み・例文・類語

そば‐だ・つ【峙・聳】

  1. ( 古くは「そばたつ」 )
  2. [ 1 ] 〘 自動詞 タ行五(四) 〙 ( 「稜(そば)立つ」の意 )
    1. 高くそびえ立つ。群を抜いてそびえる。また、角ばって立つ。しっかりと立つ。
      1. [初出の実例]「東の峯は四方(よも)磐石(いはほ)にして昇り降りは岟(けは)しく屹(そばだ)てるも」(出典常陸風土記(717‐724頃)筑波)
    2. 斜めに傾いた状態になる。また、横ざまになる。
      1. [初出の実例]「橋のごとくに側(ソハタチ)虹のごとくに針(ななめ)なり」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)八)
    3. ことばにかどが立つ。とげとげしくなる。また、鋭く聞こえるようになる。
      1. [初出の実例]「やもめがらすのうかれごゑ、みみにそはだちて」(出典:御伽草子・横笛の草紙(室町時代物語大成所収)(室町末))
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙そばだてる(攲)

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