巻舌(読み)マキジタ

デジタル大辞泉 「巻舌」の意味・読み・例文・類語

まき‐じた【巻(き)舌】

舌の先を巻くようにして勢いよく話すこと。また、その口調江戸っ子に特有のもの。べらんめえ口調。「巻き舌でまくしたてる」
切り口上1」に同じ。
「亭主慇懃いんぎんにかしこまり、手をつき、―の口上にて」〈咄・露がはなし・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「巻舌」の意味・読み・例文・類語

まき‐じた【巻舌】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 四角ばって口をきくこと。切口上(きりこうじょう)
    1. [初出の実例]「亭主慇懃にかしこまり、手をつきまき舌(ジタ)の口上にて高々と申けるは」(出典咄本・軽口露がはなし(1691)三)
  3. 舌の先の動きをはげしくして、早口で、勢いよく話すこと。また、その話しぶり。江戸っ子に特有の、侠(きゃん)でぞんざいな話し方。
    1. [初出の実例]「まき舌や言葉の花のうづ桜〈正勝〉」(出典:俳諧・詞林金玉集(1679)五)
  4. 酔ったときなどに、舌の動きが鈍くなって、ろれつがまわらない状態で話すこと。
    1. [初出の実例]「酔て酔て大方は足もしどろに巻舌で」(出典:浄瑠璃・花山院都巽(1715頃)二)
  5. ラ行の子音を発音するときに顫動(せんどう)音を用いること。東京の下町の人たちのべらんめえ口調などに現われる調音。
    1. [初出の実例]「『気を附けやがれ…篦棒奴(べらぼうめ)、面(つら)見やがれ、よいよい奴(め)…』是れが遠国の方には巻き舌で言ふから分りません」(出典:落語・江戸見物(1898)〈六代目桂文治〉)

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普及版 字通 「巻舌」の読み・字形・画数・意味

【巻舌】けんぜつ

驚嘆する。漢・揚雄〔解〕當今~言奇なるは疑はれ、行殊なるは辟(しりぞ)けらる。是(ここ)を以て談(かた)らんと欲するは、舌を卷いて聲を同じうしまんと欲するは、足を擬(さへぎ)りて投跡す。

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