朝日日本歴史人物事典 「市川八百蔵(6代)」の解説
市川八百蔵(6代)
生年:天保9(1838)
幕末明治期の歌舞伎役者。俳名中車,歌山,黄雀。屋号尾張屋。5代目市川八百蔵(3代目関三十郎)の養子。初め関花助の名で,若衆形として江戸の舞台を勤める。文久3(1863)年正月,中村座で6代目市川八百蔵を襲名した。明治3(1870)年の養父の没後,旅芝居に出る。6年東京の村山座で4代目関三十郎と改名,18年には再び旅芝居に出た。実悪を得意とし,時代物,世話物のいずれもよくした。以後,八百蔵の名跡は昭和期の9代目まで続き,いずれも堅実な立役であった。
(加藤敦子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報