市川団蔵(5代)(読み)いちかわ・だんぞう

朝日日本歴史人物事典 「市川団蔵(5代)」の解説

市川団蔵(5代)

没年弘化2.6.6(1845.7.10)
生年天明8(1788)
江戸後期の歌舞伎役者。初代市川鰕十郎の門人であったが,4代目団蔵の養子となり,主に上方で修業した。江戸出勤中の文化5(1808)年に養父を失ってのちは大坂の中芝居での活躍が続き,文政2(1819)年にようやく5代目団蔵を襲名,以後上方および江戸で活躍した。特に天保10(1839)年ごろからは,7代目片岡仁左衛門,3代目中村歌右衛門など大立者を次々に失った上方歌舞伎界において,数少ない座頭格の役者として奮戦した。その堅実な芸風から通称「渋団」。なお,6代目団蔵は5代目の没後に養子となった人で,初代,2代の当たり役のなかから「古劇八種」を制定している。

(池山晃)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「市川団蔵(5代)」の解説

市川団蔵(5代) いちかわ-だんぞう

1788-1845 江戸時代後期の歌舞伎役者。
天明8年9月生まれ。初代市川市蔵に入門。のち4代団蔵の養子となり,4代市川団三郎をへて文政2年5代団蔵を襲名。江戸と上方で活躍。地味な芸風で,渋団(しぶだん)とよばれた。弘化(こうか)2年6月6日死去。58歳。大坂出身。初名は市川森之助。俳名は千升,紅山,市紅。屋号三河屋

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