常州(読み)じょうしゅう

精選版 日本国語大辞典 「常州」の意味・読み・例文・類語

じょう‐しゅう ジャウシウ【常州】

[一] 常陸(ひたち)国の別称
[二] 中国の隋・唐・宋代、江蘇省南部、武進県を中心に置かれた州。武進県の市街区は現在の常州市。
[三] 中国、江蘇省南部の都市。滬寧(こねい)鉄道や隋以来の大運河に沿い、江浙地帯の農産物集散地

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「常州」の意味・読み・例文・類語

じょう‐しゅう〔ジヤウシウ〕【常州】

常陸ひたち国の異称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「常州」の意味・わかりやすい解説

常州
じょうしゅう / チャンチョウ

中国、江蘇(こうそ)省南部の地級市。5市轄区を管轄し、溧陽(りつよう)市の管轄代行を行う(2016年時点)。人口370万9000(2015)。市街は隋(ずい)以来大運河に沿い、また滬寧(こねい)線(上海(シャンハイ)―南京(ナンキン))が通じる交通の要地である。春秋時代には呉(ご)国の延陵邑(えんりょうゆう)で、漢代に毗陵(ひりょう)県が置かれ、晋(しん)代に毗陵県から分離して武進(ぶしん)県が設けられ、隋(ずい)代は常州の、元代以後は常州路または常州府の治所であった。1949年武進県の市街区に常州市が設けられた。江浙(こうせつ)穀倉地帯の中心に位置し、米、生糸、豆など農産物の集散地として古くから知られた。中華人民共和国成立後は紡績工業のほか重化学工業が急速に発達した。現在では、機械、自動車部品、紡績などの工業が発達している。伝統工芸として櫛(くし)、梳(す)き櫛、竹細工が有名である。

[林 和生・編集部 2017年2月16日]

世界遺産の登録

2014年、ユネスコ(国連教育科学文化機関)により「中国大運河」の構成資産として、常州運河が世界遺産の文化遺産に登録された(世界文化遺産)。

[編集部 2017年2月16日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「常州」の意味・わかりやすい解説

常州 (じょうしゅう)
Cháng zhōu

中国,江蘇省南部の省直轄市。市域に金壇,漂陽,武進の3県級市を含む。面積は4371km2(うち市区211km2)。市区人口は108万(2000)。太湖と長江揚子江)の間に開けた沖積平野を占め,大運河と京滬(けいこ)鉄道(北京~上海)が平行して通過する。早くから開けた地域で,漢代に毗陵(びりよう)県が置かれ,以後晋陵県,武進県,陽湖県などと変遷したが,解放以後,武進県の市街地に常州市が置かれた。常州とは晋の毗陵郡を継いで,隋に置かれた州名による。そののちも常州路,常州府が置かれ,東の蘇州,西の鎮江の間の中心地であった。農水産物の生産においては有力な地域であったが,蘇州や南京のような政治・文化の中心となることはなく,農村地域の生産物の集散中心であった。現在は江蘇省における郷鎮企業の最も発達している地区の一つで,工業都市として大きく発展している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「常州」の意味・わかりやすい解説

常州【じょうしゅう】

中国,江蘇省南部の都市。別名武進。大運河や京滬鉄路(北京〜上海)沿線の豆,米,蚕糸などを集散し,竹器を特産。食品・絹織物・化学工業もある。城外に名勝の地が多い。231万人(2014)。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

藩名・旧国名がわかる事典 「常州」の解説

じょうしゅう【常州】

常陸国(ひたちのくに)

出典 講談社藩名・旧国名がわかる事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android