通常,労働協約に定められた事項以外の事項については,協約期間中であっても労働協約当事者(とくに労働組合側)は争議行為を行うこと自体は許されることを前提として,ただ一定の手続をふんだのちにこれを行うべき旨規定した労働協約上の条項を指す。労働協約期間中,労働協約の所定事項については,そもそも争議行為を行うことができないという平和義務とは区別される。ここにおいて,協約所定事項についての平和義務の容認と,協約所定外事項に関しての平和条項の存在とによって,一定期間内の争議行為に対する禁止および手続的制限が課せられることになる。この二つは両々相まって,一定期間内の企業平和を招来することに貢献している。実際の協約例において,平和条項が登場したのは大正末期のことであるが,一般化したのは,第2次大戦直後東京商工会議所が標準労働協約について啓蒙運動を展開し,政府が官公庁職員組合の労働協約に関し,争議の平和的処理を強調したのちのことである。争議手続条項としての平和条項の内容としては,争議行為の事前予告条項,労働委員会等による調整手続中の争議行為の禁止,企業内紛争処理機関への付議を前置すべきことなどを規定する例が一般的である。平和条項違反の争議行為が行われた場合(とくに労働組合側)は,原則として民事上,刑事上の責任を問われず,ただ労働組合が協約条項違反(債務不履行)をおかしたことに基づく損害賠償にとどまるものとされ,平和義務違反の責任よりも軽減するのが支配的見解である。
執筆者:中嶋 士元也
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[1973~ ]プロ野球選手。愛知の生まれ。本名、鈴木一朗。平成3年(1991)オリックスに入団。平成6年(1994)、当時のプロ野球新記録となる1シーズン210安打を放ち首位打者となる。平成13年(...
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