朝日日本歴史人物事典 「平山常陳」の解説
平山常陳
生年:生年不詳
朱印船貿易家,キリスト教徒。堺出身。京都でイエズス会士トルレスから受洗。洗礼名ディアス。元和6(1620)年,貿易家として居を定めていたマニラからアウグスチノ会士スニガとドミニコ会士フロレスとを乗船させて日本に向かう途中,台湾沖で英蘭連合艦隊に捕らえられた。日本船への英蘭の不法行為とする平山らと,英蘭両商館のある平戸の松浦氏との対立にまで,この事件は拡大した。だが,スニガが宣教師であることを自白したために,長崎で共に火刑に処された。これを平山常陳事件という。のちの幕府鎖国強化の一要因となった。<参考文献>コリャド『日本キリシタン教会史補遺』(井手勝美訳),岡田章雄「平山常陳事件」(『岡田章雄著作集』3巻)
(浅見雅一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報