水田の耕土層の下に水を通しにくい層を,土の締め固めによって作る操作。人力,畜力,機械力が用いられるが,現在は機械力が多く,ブルドーザーの履帯転圧やローラーが用いられる。水田は地下水や排水路の水位が低くても湛水(たんすい)を保たなければならない。土の水通し(透水性)がよい水田で水位が低下すると漏水が多くなるので,土の透水性を下げる目的で床締めを行う。用水の節減,水温や地温の上昇,イネの収量増などの効果がある。方法には大きくわけて2種類あり,表土をはぐことなく,田面から直接締める表土締め法(じか締め法)と,いったん約20cmくらいの耕土をはねて心土面を出し心土を締め固め,その後に耕土をもどす心土締め法とに大別される。心土締め法は,開田,圃場(ほじよう)整備などの土地改良工事の際に,土の切盛り(基盤の均平化)が終わったところで基盤をブルドーザーなどで転圧し,のちに耕土をのせる場合が多い。火山灰土壌では土を破砕してから締めると効果が高い(破砕転圧工法)。
執筆者:多田 敦
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…日本では,とくに水田土壌の透水性と地耐力に関連してすき床が注目される。排水のよい水田ではすき床が漏水を抑制していることが多く,そのため漏水田地帯では開田の際に床締めと称してブルドーザー転圧などにより人為的にすき床が造成される。また強湿田地帯は地盤が軟弱であるが,地下排水によりしだいに固く締まったすき床が発達し,農業機械の導入が可能になる。…
※「床締め」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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