床締め(読み)トコシメ(その他表記)subsoil compacting

デジタル大辞泉 「床締め」の意味・読み・例文・類語

とこ‐しめ【床締め】

水漏れを防ぐために、水田の床に粘土を入れること。

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改訂新版 世界大百科事典 「床締め」の意味・わかりやすい解説

床締め (とこじめ)
subsoil compacting

水田の耕土層の下に水を通しにくい層を,土の締め固めによって作る操作。人力,畜力,機械力が用いられるが,現在は機械力が多く,ブルドーザーの履帯転圧やローラーが用いられる。水田は地下水や排水路の水位が低くても湛水たんすい)を保たなければならない。土の水通し(透水性)がよい水田で水位が低下すると漏水が多くなるので,土の透水性を下げる目的で床締めを行う。用水節減水温地温上昇イネの収量増などの効果がある。方法には大きくわけて2種類あり,表土をはぐことなく,田面から直接締める表土締め法(じか締め法)と,いったん約20cmくらいの耕土をはねて心土面を出し心土を締め固め,その後に耕土をもどす心土締め法とに大別される。心土締め法は,開田圃場(ほじよう)整備などの土地改良工事の際に,土の切盛り(基盤の均平化)が終わったところで基盤をブルドーザーなどで転圧し,のちに耕土をのせる場合が多い。火山灰土壌では土を破砕してから締めると効果が高い(破砕転圧工法)。
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百科事典マイペディア 「床締め」の意味・わかりやすい解説

床締め【とこじめ】

漏水しやすい火山灰質や砂質の水田地盤の透水性を下げて,用水節約と水温,地温の上昇による増収を図るための土地改良法作土をいったん取り去り心土を突き固めてから作土を敷きなおす方法と,作土の上からそのまま固める方法がある。
→関連項目水田土壌

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世界大百科事典(旧版)内の床締めの言及

【すき床(鋤床)】より

…日本では,とくに水田土壌の透水性と地耐力に関連してすき床が注目される。排水のよい水田ではすき床が漏水を抑制していることが多く,そのため漏水田地帯では開田の際に床締めと称してブルドーザー転圧などにより人為的にすき床が造成される。また強湿田地帯は地盤が軟弱であるが,地下排水によりしだいに固く締まったすき床が発達し,農業機械の導入が可能になる。…

※「床締め」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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