延紙(読み)ノベガミ

デジタル大辞泉 「延紙」の意味・読み・例文・類語

のべ‐がみ【延(べ)紙】

縦7寸(約21センチ)、横9寸(約27センチ)ほどの小形の杉原紙すぎわらがみ江戸時代、高級な鼻紙として用いた。延べ

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精選版 日本国語大辞典 「延紙」の意味・読み・例文・類語

のべ‐がみ【延紙】

  1. 〘 名詞 〙 大和国奈良県)吉野地方から多く産した縦七寸(約二一センチメートル)横九寸(約二七センチメートル)程度の小型の杉原(すぎわら)紙。鼻紙の上品として、遊里などで用いられた。小杉原七九寸。のべ鼻紙。のべ。
    1. [初出の実例]「朝鮮さやの二の物をほのかにのべ紙(カミ)に数歯枝(かずやうじ)をみせ懸」(出典浮世草子好色一代男(1682)一)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「延紙」の意味・わかりやすい解説

延紙
のべがみ

半紙に対する全紙の意味で、小形の杉原紙のことをさす。別名小杉原または小杉、略して延(のべ)ともいい、江戸時代に懐中紙として鼻紙などによく用いられた。大和(やまと)国(奈良県)の吉野産を最良とし、越前(えちぜん)(福井県)、出雲(いずも)(島根県)、阿波(あわ)(徳島県)その他の諸国で産出された。井原西鶴(さいかく)の『好色一代女』に、「延の鼻紙ひざちかく置きて」とあるように、その身近な使い方がしのばれる。

[町田誠之]

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世界大百科事典(旧版)内の延紙の言及

【半紙】より

…また書道半紙の産地としては,愛媛県川之江市などがあげられる。なお半紙を延紙(のべがみ)の半裁とする説があるが,江戸時代の延紙の寸法がだいたい縦7寸に横9寸で,小半紙とほぼ同じくらい小さな判なので誤りであろう。延紙は柔軟な紙で鼻紙などとして用いられた。…

※「延紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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