引起(読み)ヒキオコシ

デジタル大辞泉 「引起」の意味・読み・例文・類語

ひき‐おこし【引起】

シソ科多年草山地に生え、高さ約1メートル。茎は四角柱、葉は広卵形で対生する。秋、淡紫色唇形小花多数咲く。全草を乾燥したものを延命草といい、健胃薬とする。

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精選版 日本国語大辞典 「引起」の意味・読み・例文・類語

ひき‐おこ・す【引起】

〘他サ五(四)〙
① 倒れたり、横たわったりしている人や物などを引っぱって起こし立たせる。
落窪(10C後)一「君は物もおぼえでふし給へるを、おましなほさんとひきおこしたてまつれば」
② 衰えすたれた家・国などを再興する。
玉葉(1312)雑三・二二三九「世の中は和泉杣木(そまき)とる民のふかきを更に引き起さなん〈藤原実氏〉」
③ (「惹起」とも書く) それがきっかけとなって、新しい事態を現出させる。事件や騒ぎなどを起こす。惹起(じゃっき)する。
正法眼蔵(1231‐53)洗浄熱湯は腸風をひきおこすといふ」

ひき‐おこし【引起】

〘名〙
① シソ科の多年草。北海道南部、本州、四国、九州の山野に生える。高さ〇・五~一メートル。全体に細毛を密布する。茎には四稜がある。葉は有柄で対生し、葉身は卵形で縁に鋸歯がある。夏から秋にかけ、梢頭および上部の葉腋円錐花序に小さな筒状唇形花をつける。花冠は淡紫色で紅または紫色の斑点がある。葉を健胃薬に用いる。延命草。〔文明本節用集(室町中)〕
② 植物「つるどくだみ(蔓蕺)」の異名。〔改正増補多識編(1670頃)〕
③ 暑気あたりの薬。胡椒・肉桂・甘草・葛粉などを調合したもの。〔俚言集覧(1797頃)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「引起」の解説

引起 (ヒキオコシ)

学名:Isodon japonicus
植物。シソ科の多年草,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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