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当為 とういSollen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

当為
とうい
Sollen

一般に「あるべきこと」ないし「なすべきこと」をいい,存在 Seinもしくは必然 Müssenに対する。事実それが起るかかを問わず,必ず生ずべきだと要求されていること,ないしそうした要求の意識を意味する。因果必然的な自然法則との対比において法や道徳規範的性格を指示するために用いられることが多い。

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デジタル大辞泉の解説

とう‐い〔タウヰ〕【当為】

《〈ドイツ〉Sollen》哲学で、まさになすべきこと、まさにあるべきこと。あること(存在)、あらざるをえないこと(自然必然性)に対する。カント倫理学では、端的に善なる行為そのものを命令する為(定言的命令)と、他の目的を実現する手段としての行為を命令する当為(仮言的命令)が区別されている。新カント学派では、真・善・美などの価値の当為性が主張された。ゾレンゾルレン

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百科事典マイペディアの解説

当為【とうい】

ドイツ語Sollen,英語oughtなどの訳。カント哲学で重要。道徳原則や法原則,さらに種々の実践的な問題について,〈……すべし〉という形式で表明される判断・言明様相をいう。

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世界大百科事典 第2版の解説

とうい【当為】

道徳原則や法原則,さらに個別的な実践的諸問題についてのわれわれの態度決定は,通常,〈……すべし〉という形式の判断ないし言明によって表明される。この〈べし〉(ゾルレンsollen,オートought)という助動詞によって表現される判断様相を当為と呼ぶ。当為言明はしばしば〈……である〉という平叙形式の言明,すなわち事実を記述する言明と対比され,事実言明のみから成る前提群から当為言明が論理的に演繹されうるかが哲学上の根本問題の一つとして論議されている。

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大辞林 第三版の解説

とうい【当為】

〘倫〙 現にあること(存在)、またはかくあらざるをえないこと(自然的必然)に対し、まさにあるべきこと、まさになすべきこと。カントは、道徳的行為に先行しその実現を可能とするものとして道徳的当為を考えた。新カント学派は、さらに真・善・美などの超越的価値にむけての主観の関係を超越的当為とした。ゾレン。 → 存在必然

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

当為
とうい
oughtness英語
Sollenドイツ語
devoirフランス語

「あるべきこと」「まさに為(な)すべきこと」をいい、倫理的な概念とされる。その究極的なものは人間の到達すべき目標であり、したがって哲学者の最高の探究課題であり続けた。カントは無条件的な当為を定言的命令という形でとらえ、すべての道徳的価値はこれにのみ由来すると考えた。条件付きの当為はにせの当為であって、実は「そうあらざるをえぬ」自然的世界に属する、というのである。カントは当為を現象界とは別の叡智(えいち)界に属さしめ、自由な実践的世界を樹立するが、のち新カント学派は、当為を理論的認識や美の世界にまで広げて、単なる倫理的概念からより包括的な概念へと構成し直した。反対にまた現代倫理学のなかには、当為を、是認の単なる感情表出にすぎないとして、その普遍性を拒否する立場も生じてきており、この問題は、いっそう複雑な展開をみせ始めている。[武村泰男]

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世界大百科事典内の当為の言及

【倫理学】より

…そこでは学は自然学ta physika,倫理学ta ēthika,論理学ta logikaという三つに分類された。カントもこの分類の正しさを承認したうえで,自然学と倫理学との関係について,自然学は自然の必然的法則を取り扱うのに対して,倫理学は自由の法則(すなわち当為)を取り扱うというように両者を対照させている。この意味では倫理学は人間存在についてのある包括的・原理的な学である。…

※「当為」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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