デジタル大辞泉 「至上命令」の意味・読み・例文・類語 しじょう‐めいれい〔シジヤウ‐〕【至上命令】 絶対に服従しなければならない命令。他のすべてに優先して行わなければならない事柄。「至上命令がくだる」「売り上げ増進を至上命令とする」[類語]厳命・命令・言い付け・命めい・令れい・指令・下命・指示・指図さしず・号令・発令・沙汰さた・主命・君命・上意・達し・威令・厳令 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「至上命令」の意味・読み・例文・類語 しじょう‐めいれいシジャウ‥【至上命令】 〘 名詞 〙① 絶対に従わなければならない命令。[初出の実例]「その鐘の音が、彼の生活の至上命令であるもののやうに」(出典:死刑囚と其裁判長(1922)〈中西伊之助〉一)② カントの道徳哲学における定言的命令。個々の具体的な目的、情緒と無関係に、人間に対して無条件的にある仕方で行為するようにと強制する命令。断言的命令。無上命法。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「至上命令」の解説 至上命令 絶対に従わなければならない命令やルール。 [使用例] 彼は自分では戦争の要請を至上命令として自らに課することを許しながら、それを部下に課することについては自己の責任を感ぜずにはいられないあの心の優しい指揮者の一人であった[大岡昇平*俘虜記|1952] [使用例] イサベルのコレクションを闇から闇に永遠に葬ってしまえ。これが今のわが国の政府の至上命令なのです[五木寛之*戒厳令の夜|1976] [使用例] いかにお市を愛し、信長に賭けている夫であろうとも、その面前で久政と朝倉との微妙な問題を口にすることはできない。それが戦国の作法であり、大名家に嫁いで来た女に課せられた至上命令なのだ[永井路子*流星 お市の方|1979] [解説] 「至上命令」の用例は戦前から現れます。誰かが命令を出した場合もありますが、具体的な命令が存在しない場合もあります。 例文の[俘虜記]では、「彼」は具体的な戦闘命令を受けています。また、[戒厳令の夜]では、ある絵画コレクションの存在を不都合と考えた政府が、それを闇に葬るように指示しています。 一方、[流星 お市の方]では、お市があくまで自分の意志で、夫への情報提供をひかえます。それが戦国の女のルール(=至上命令)と考えたのです。 なお、非常に重要な課題を、「至上命令」ならぬ「至上命題」と言うことが一般化しています。「わが社の至上命題は業績回復だ」のように使います。 本来、「命題」とは論理学用語で、「AはBだ」のような文を意味します。でも、「至上命題」の「命題」は、「使命を帯びて取り組む課題」といった意味合いで使われているようです。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報