御出(読み)ギョシュツ

デジタル大辞泉 「御出」の意味・読み・例文・類語

ぎょ‐しゅつ【御出】

高貴な人の外出。おでまし。
殿下てんがの―に鼻突はなづきに参りあふ」〈平家・一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御出」の意味・読み・例文・類語

お‐いで【御出】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 「出ること」の尊敬語から転じて ) 「行くこと」「来ること」「居ること」の尊敬語。「おいでだ(おいでです)」の形をとることが多い。
      1. (イ) 「行くこと」の尊敬語。
        1. [初出の実例]「れうじなる申事ながら、これはどれからどれへの御出で御ざあるぞ」(出典:虎清本狂言・禁野(室町末‐近世初))
      2. (ロ) 「来ること」の尊敬語。
        1. [初出の実例]「君子の斯処へ御出あるに」(出典:足利本論語抄(16C)八佾第三)
        2. 「よくマアお出(イデ)だねへ。サアサアこっちへお上りナ」(出典:人情本・仮名文章娘節用(1831‐34)三)
      3. (ハ) 「居ること」の尊敬語。助詞「て」の下に付いて補助的にも用いる。
        1. [初出の実例]「銭右衛門さんお出(イデ)か」(出典:滑稽本浮世床(1813‐23)初)
        2. 「お前様は、何時(いつ)でも其様な平気なことばっかり言ってお在(イ)でだけれど」(出典:人情・花筐(1841)五)
    2. 祭神神輿(みこし)などで本社を離れ、御旅所(おたびしょ)に鎮座すること。→御旅(おたび)
      1. [初出の実例]「御出次第」(出典:元亨元年高宮仮殿日記(1321))
  2. [ 2 ] ( 「おいでなさい」の意で動詞命令形のように用いる ) 「行く」「来る」「居る」の意の命令要求を表わす。
    1. [初出の実例]「ちょとあそこへおいで」(出典:洒落本・妓者呼子鳥(1777)三)
    2. 「をとなしくしてお出(イデ)」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)

おん‐いで【御出】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「おん」は接頭語 ) 「出ること」「来ること」を、その動作主を敬っていう語。おでかけになること。御外出。
    1. [初出の実例]「御いでののち御拝せさせおはしまししかば」(出典:弁内侍日記(1278頃)建長四年七月二六日)

ぎょ‐しゅつ【御出】

  1. 〘 名詞 〙 貴人が出ていかれること。おでまし。
    1. [初出の実例]「殿下の御出(ギョシュツ)に鼻づきに参りあふ」(出典:高野本平家(13C前)一)

ご‐しゅつ【御出】

  1. 〘 名詞 〙ぎょしゅつ(御出)

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