御台(読み)ミダイ

デジタル大辞泉 「御台」の意味・読み・例文・類語

み‐だい【御台】

天皇貴人を敬って、その食物をのせる台をいう語。
「―などうち合はで、いとかたはらいたしや」〈玉鬘
天皇や貴人の食物のこと。御物おもの
「とかく紛らはして、―は参る」〈夕霧
御台盤所みだいばんどころ」の略。
「なんぢが娘を国司の御―に参らせよ」〈伽・文正

お‐だい【御台】

《「御台盤」の略》
飯・菜などを盛った器をのせる長方形の台。
「―に、はしの台ばかりすゑたり」〈宇治拾遺・七〉
めしをいう女性語
二合半の盛り切り―、のどに詰まって」〈浄・宵庚申

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御台」の意味・読み・例文・類語

み‐だい【御台】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語 )
  2. 天皇や貴人を敬って、その食物をのせる台をいう語。食卓。
    1. [初出の実例]「宮御だいたてて物まゐる」(出典:宇津保物語(970‐999頃)藤原の君)
  3. 天皇や貴人の食物をいう。おもの。
    1. [初出の実例]「御だい、あはせいと清げにて、粥まゐりたり」(出典:落窪物語(10C後)一)
  4. みだいどころ(御台所)」の略。
    1. [初出の実例]「二所なから御だいそそのかしなどし給へば」(出典:あさぢが露(13C後))

お‐だい【御台】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語。「御台盤」の略 )
  2. 食器を載せる台。食膳
  3. ごはんをいう女性語。
    1. [初出の実例]「客人のわせたほどにゆうをだいをこしらえたことぞ」(出典:玉塵抄(1563)三一)
    2. 「二合半のもり切おだい」(出典:浄瑠璃・心中宵庚申(1722)上)

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