御調八幡宮(読み)みつきはちまんぐう

日本歴史地名大系 「御調八幡宮」の解説

御調八幡宮
みつきはちまんぐう

[現在地名]三原市八幡宮内 宮地側

竜王りゆうおう山の北麓の開析谷に鎮座。一の鳥居本庄ほんじように、中の鳥居は谷の入口に建つ。天正一九年(一五九一)一〇月二〇日付毛利輝元加判并同氏奉行人連署八幡社領書立(御調八幡宮文書)に備後八幡とある。祭神は品陀和気命・息長帯比売命・宗形三女神・息長帯比古命・建内宿禰大臣・菅原神・天児屋根命・須佐之男命・住吉三前神・天照大御神・豊受皇大神・大山積神・久那斗神・建御雷神。旧県社。境内社に大鷦鷯命を祀る若宮八幡神社・出雲神社など九社がある。

備後八幡宮大菩薩縁記(社蔵)によると、和気清麻呂が大隅国に流されたとき、姉法均尼は備後国に流されたが、宝亀八年(七七七)一〇月八日、尼の配所に参議藤原百川社殿建立、備後国封戸二〇戸を割いて贈ったのが創祀で、百川の子緒嗣が別殿を建てて清麻呂・法均・百川らの霊を祀ったという。しかし「備後八幡雑記」(「三原市史」所収)の日本六所八幡の項には天応元年(七八一)宇佐(現大分県)より勧請とあり、神護景雲二年(七六八)五月一三日の奥書のある説一切有部純正理論(巻二三)、宝亀一〇年閏五月書写の奥書をもつ大般若波羅蜜多経(巻一三三)があると記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の御調八幡宮の言及

【三原[市]】より

…なお93年の山陽自動車道の開設によって,市内の慢性的交通渋滞はかなり解消された。市内には瀬戸内海国立公園の筆景山や臨済宗仏通寺派大本山仏通寺のある県立自然公園などの景勝地や文化財,また民俗行事としてやっさ踊りや御調(みつぎ)八幡宮の花踊りなどがあり,観光客を集めている。【藤原 健蔵】
[三原城下]
 沼田川河口の沖積平野に形成された城下町。…

※「御調八幡宮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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