心臓脚気

百科事典マイペディアの解説

心臓脚気【しんぞうかっけ】

循環器に現れる脚気症状の俗称。衝心(しょうしん)脚気ともいう。血管壁の弛緩(しかん)による血圧低下や,心臓の拡大などを呈する。運動時に,心悸亢進,胸内苦悶(くもん),息切れを感じ,さらに嘔吐(おうと),しゃっくり,のどのかわきなども生ずる。安静とビタミンB1補給で治療する。近年ではまれな疾患である。

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世界大百科事典 第2版の解説

しんぞうかっけ【心臓脚気 beriberi heart】

ビタミンB1欠乏症(脚気)によって心臓の機能が障害された状態。ビタミンB1が欠乏すると,心筋のエネルギー代謝も障害されて,血液の拍出量が低下し,心不全に陥る。この結果,各種の神経症状とともに,頻拍,血圧低下,浮腫,呼吸促迫などの症状がみられるようになる。重症になると心臓肥大を伴うようになり,わずかな運動でも急に胸苦しくなる。このような状態を〈脚気衝心〉といい,死亡することもある。ビタミンB1を補給すると急速に回復する。

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世界大百科事典内の心臓脚気の言及

【脚気】より


[症状]
 ビタミンB1欠乏症の症状としては,(1)手足のしびれ感,知覚異常,下肢の重感,全身倦怠感,足のつま先が上がらなくなり,つまずいて転びやすい,運動麻痺のための歩行困難などの神経症状,(2)心悸亢進,息切れ,胸部圧迫感,低血圧,とくに最低血圧の低下,下肢や顔面の浮腫(むくみ),頻脈などの循環器症状,(3)食欲不振,胃部膨満感,吐き気などの消化器症状などがみられる。とくに循環器症状は俗に〈心臓脚気〉とよばれているが,ひどくなると心臓に肥大が起こり(右心肥大),心音は心尖部で第1音が不純となり,肺動脈弁口での第2音が亢進するようになる。心臓の肥大が顕著になり脈拍数が著しく増加するようになると,身体運動がわずか増加しても,それに対応して心臓の拍出量を増すことができず,急に胸苦しくなり急性心力衰弱の状態すなわち〈脚気衝心〉とよばれる状態となり,死亡することがある。…

※「心臓脚気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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