志賀理和気神社(読み)しがりわけじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「志賀理和気神社」の意味・読み・例文・類語

しがりわけ‐じんじゃ【志賀理和気神社】

  1. 岩手県紫波郡紫波町にある神社。旧県社。祭神は経津主命(ふつぬしのみこと)・武甕槌命(たけみかづちのみこと)猿田彦命(さるだひこのみこと)など。坂上田村麻呂蝦夷征伐のとき、香取鹿島の両神宮を勧請して創建したと伝える。

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日本歴史地名大系 「志賀理和気神社」の解説

志賀理和気神社
しがりわけじんじや

[現在地名]紫波町桜町 本町川原

桜町さくらまち東部大坪おおつぼ川が北上川に流入する河口部右岸に位置。経津主命・武甕槌命を主神に猿田彦命・保食命・少彦名命・大己貴命・船霊命を合祀する旧県社。地元の通称は赤石あかいし神社、近世赤石大明神とよばれた。「延喜式」神名帳にみえる斯波郡一座の同名社に比定され、最北の式内社にあたる。「文徳実録」仁寿二年(八五二)八月七日条に「志賀理和気神」とあり、正五位下に進階している。創建時期は志波しわ(現盛岡市)建置・紫波郡設置・徳丹とくたん(現都南村)建置などがあった九世紀初頭とされ、蝦夷を支配下に入れたことの報謝と地域鎮護のため奉斎したものと推定されている(志賀理和気神社奉斎考)。古代律令制度が崩壊したあと荒廃したとみられ、近世初頭には地元民さえその存在を知らず、神体の赤石に由来して赤石大明神とよばれていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「志賀理和気神社」の解説

志賀理和気神社

岩手県紫波郡紫波町にある神社。“志賀理和気”は「しかりわけ」また「しがりわけ」と読む。旧県社。祭神は経津主命(ふつぬしのみこと)、武甕槌神(たけみかづちのかみ)など。参道の古い桜並木は町の天然記念物指定。「赤石神社」ともいう。

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世界大百科事典(旧版)内の志賀理和気神社の言及

【紫波[町]】より

…近年,平野部で野菜栽培,山麓でブドウ,リンゴなどの果樹栽培,畜産も行われる。最北の式内社といわれる志賀理和気神社,斯波氏ゆかりの高水寺城跡,天然記念物に指定された勝源院の逆ガシワなどがある。東北本線,国道4号線が通じる。…

※「志賀理和気神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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