忠岡(読み)ただおか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「忠岡」の意味・わかりやすい解説

忠岡(町)
ただおか

大阪府南西部、泉北郡(せんぼくぐん)の町。大阪湾に臨む。1939年(昭和14)町制施行。南海電気鉄道南海本線と国道26号、阪神高速道路湾岸線が並行して南北に走る。北の泉大津市と境する大津川の沖積地で、古くから農漁村であったが、第一次世界大戦後、大津川沿いに工場進出をみ、紡績、織布、毛布、帆布などの繊維工業町となった。さらに1966年(昭和41)南の岸和田市に続く臨海造成地に木材コンビナートが形成され、製材工業も行われるようになった。小野道風(おののとうふう)筆『三体白氏詩巻』など3点の国宝を蔵する正木(まさき)美術館がある。また、永福寺ビャクシンは府指定の天然記念物。面積3.97平方キロメートル、人口1万6567(2020)。

[位野木壽一]

『『忠岡町史』全3巻(1984~1990・忠岡町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「忠岡」の意味・わかりやすい解説

忠岡[町] (ただおか)

大阪府南部,泉北郡の町。人口1万8149(2010)。大阪湾に面し,泉大津市と岸和田市に挟まれた面積3.17km2の小さな町である。1924年に南海本線忠岡駅が設置されて,農漁村から紡績,紡織を主とする工業地域に変貌し,66年には海岸部に新浜木材コンビナートが建設された。繊維産業木材工業が主要な工業で,合板工場は臨海部に,繊維工場は泉大津市との境をなす大津川沿いに立地している。正木孝之の収集品をもとに建設された正木美術館があり,国宝の小野道風筆《三体白氏詩巻》,藤原行成筆《後嵯峨院本白氏詩巻》や《大灯国師墨跡》のほか,多数の重要文化財を有する。
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百科事典マイペディア 「忠岡」の意味・わかりやすい解説

忠岡[町]【ただおか】

大阪府南部,泉北郡の町。岸和田市と泉大津市の間にあり,大阪湾に臨む。古くから繊維工業が盛んで,綿紡,さらし,染色,毛布,メリヤスなどの工場がある。木材コンビナートが建設され,木材工業も盛ん。南海電鉄本線が通じる。3.97km2。1万8149人(2010)。

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