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性器期 せいきき

大辞林 第三版の解説

せいきき【性器期】

口唇期・肛門期・男根期を経て到達する最も成熟した段階。性衝動のエネルギーが自分以外の対象に向けられる時期。思春期以後に相当する。

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世界大百科事典 第2版の解説

せいきき【性器期 genital phase】

古典精神分析理論で考えられた精神性的発達の最終段階。幼児性欲期から潜伏期を経て,それまでの幼児的な部分欲動性器欲動に向けて統合され性器愛ないしは性器性欲の優位が確立され,異性愛情の伴侶とすることがはじめて可能となる時期である。理論的には,思春期に入ると性器期に到達することになるが,現実には,愛情と官能とを統一して異性を全人格的に愛しかつ受容できるようになるまでには,さらに年月を要する。この性器期の完成に照応するものとして,精神分析学においては性器的性格genital characterという性格類型が考えられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

性器期
せいきき
genital phase

フロイトの精神分析の性心理的発達の最終段階で、性的に成熟してくる思春期以降のことをいう。幼児的な口唇衝動、肛門(こうもん)衝動、男根衝動などの部分衝動は、この段階において生殖活動という目標のもとに性器体制として統合される。これを性器統裁という。性器期以前では、身体の諸器官によって快感を得ることが目的となるが、この段階になると生殖が目的となり、一個の人格をもった人間として性対象を求めるようになる。性器的体制が確立すると、自我はエスや超自我から過剰な圧力を受けることがなく、学問、芸術、スポーツなど文化的、社会的に高く評価される現実の活動にエネルギーを使うことができるようになる。これに対して、前性器期の部分衝動が統合されずに母親や父親に対する愛情が固着すると、正常な性器的な体制が発達せず、さまざまな性的倒錯が生ずることになる。[川幡政道]
『ジークムント・フロイト著、中山元編訳「性欲論三篇」(『エロス論集』所収・ちくま学芸文庫)』

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世界大百科事典内の性器期の言及

【精神分析】より

…上のようなフロイトの心的装置論は,今日の精神分析においてもおおむね継承されているが,新生児が混沌たるエスの塊であるという見方は疑問視されており,自我はきわめて早期に形成されてくるという見方が有力となった。 〈口唇期〉にはじまり〈肛門期〉〈男根期〉〈潜伏期〉を経てついに〈性器期〉に統合されるというフロイトの唱えた精神性的発達理論は,性愛の発達を核心に据えた一つの発達心理学である。フロイトは,口唇や肛門が対象――精神分析用語で人間対象を意味し,一個の人間全体は全体対象であり,乳房やペニスは部分対象である――との接触(たとえば授乳時の口唇)において,ないしはそれ自体の機能(たとえば便をためこんで排出するさいの快感)として,エロティックな機能を本来そなえていると同時に,これらの器官の機能を通して養育者に対する陰陽種々の感情がはぐくまれることに着目した。…

【幼児性欲】より

…なお吸乳時において乳首を嚙むこと,ならびに排便時における貯留と排泄とには,サディスティックな満足がからむ。 これら口唇,肛門,男根に集中する幼児の快感は,やがては成人の異性との結合をめざす性器性欲(性器期)に連続し統合される〈部分欲動〉である。したがって幼児性欲は〈前性器的〉である。…

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