恵む(読み)メグム

デジタル大辞泉 「恵む」の意味・読み・例文・類語

めぐ・む【恵む/×恤む】

[動マ五(四)]
気の毒に思って金品を与える。施し与える。「困っている人に金を―・む」
神仏や上に立つ者が人々に恩恵慈悲を与える。いつくしむ。
「道の中国つ御神は旅行きもし知らぬ君を―・み給はな」〈・三九三〇〉
[類語]与える授ける施すやるあげる差し上げるくれるくださる賜る供する供与提供授与恵与

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「恵む」の意味・読み・例文・類語

めぐ・む【恵・恤】

  1. 〘 他動詞 マ行五(四) 〙 ( 愛(めぐ)しと思うの意 )
  2. 神仏や自然、上に立つ者などが人々になさけをかける。思いやりいつくしむ。あわれむ。
    1. [初出の実例]「道のなか国つ御神は旅行きもし知らぬ君を米具美(メグミ)たまはな」(出典万葉集(8C後)一七・三九三〇)
    2. 「そのみこ、女をおぼしめして、いとかしこうめぐみつかう給ひけるを」(出典:伊勢物語(10C前)四三)
  3. 貧しい人などをあわれんで金品を与える。ほどこし物をする。
    1. [初出の実例]「徳(いきほひ)を布き恵(めくみ)を施して、政令(まつりこと)流行(しきおこな)はる。貧を(メぐみ)(やもめ)を養ひて、天下親(むつ)び附(つ)く」(出典:日本書紀(720)顕宗即位前(図書寮本訓))
    2. 「東絹一疋を恵(メクミ)賜ふて語りて云く」(出典:将門記承徳三年点(1099))

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