(読み)ノウ

デジタル大辞泉 「悩」の意味・読み・例文・類語

のう【悩〔惱〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ノウナウ)(呉) [訓]なやむ なやます
思いわずらう。なやむ。なやみ。なやます。「悩殺悩乱懊悩おうのう苦悩煩悩ぼんのう
病気。「御悩

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精選版 日本国語大辞典 「悩」の意味・読み・例文・類語

なやみ【悩】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「なやむ(悩)」の連用形名詞化 )
  2. 悩むこと。思いわずらうこと。
    1. [初出の実例]「かたく五欲に着して、痴愛のゆへに悩(なう)を生す(〈注〉ナヤミをなす)」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)一)
  3. やまい。病気。
    1. [初出の実例]「若し衆生の諸の毛孔に触するときは、能く一切の欝蒸のあつかはしき悩(ナヤミ)を除く」(出典:石山寺本大般涅槃経平安中期点(950頃)九)

なやまし【悩】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙なやましい(悩)

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普及版 字通 「悩」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)惱
12画

(異体字)
12画

[字音] ノウ(ナウ)
[字訓] なやむ

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は惱に作り、(のう)声。は腦(脳)の初文で、その象形。〔説文〕十二下に正字をに作り、「恨痛するるなり」とし、「の省聲」(段注本)という。また「今汝南の人、恨むるをと曰ふ」と方言を以て解している。婦人に懊悩(おうのう)のことが多いので、を正字とするのであろうが、惱の字を用いることが多い。

[訓義]
1. なやむ、うらむ、わずらわしい。
2. いかる、はらたつ。
3. 国語で、のう、やまい。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 惱の字と同じ、弄ぶ、和豆良波須(わづらはす) 〔名義抄〕惱 ナヤム・ナヤマス・ウレフ・ウルサシ

[声系]
〔説文〕にの字なく、(しん)十下に「頭會蓋なり。象形」とあり、その上に頭髪の象を加えたものが、さらに人の側身形を加えたものが(のう)。〔説文〕八上に「頭の(ずい)なり」とし、また匕(ひ)は相比叙する意、巛は髪、の形に象るとする。惱は〔説文〕にみえず、六朝期に至って仏教語として多く用いられる。脳になやみがあることを・惱という。

[語系]
惱()nuは怒na、擾njiuと声近く、心に恨み怒って、情の擾(みだ)れることをいう。

[熟語]
悩懊悩火悩悔悩害悩苦悩恨・悩殺悩人悩怒・悩罵悩犯悩煩悩悶・悩乱
[下接語]
懊悩・苦悩・春悩・障悩・痛悩・熱悩煩悩・憂悩

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