悩ましい(読み)ナヤマシイ

デジタル大辞泉 「悩ましい」の意味・読み・例文・類語

なやまし・い【悩ましい】

[形][文]なやま・し[シク]《動詞「なや(悩)む」の形容詞化
悩むことがあって苦しい。難儀である。「焦りと苛立ちの―・い日々を送る」
官能が刺激されて、心が平静でいられない。「―・い姿態」「―・い調べに誘われる」
病気などで気分が悪い。
「―・しく侍りて、内へも参らず」〈宇津保・忠こそ〉
[派生]なやましがる[動五]なやましげ[形動]なやましさ[名]
[類語]狂わしい狂おしい物狂おしい熱狂的身を焦がす悶悶もんもん惑乱切ないやりきれない思い乱れる思い悩む思い焦がれるめろめろぞっこん首ったけのめり込む入れ込む夢中血道を上げる骨抜きいかれる溺れるふける凝る耽溺たんでき惑溺執心頓着とんじゃく執着固執偏執我執とらわれる深入りはまるはまり込む入れあげる病み付きとりこ心酔心ここにあらず心を奪うむな苦しい息苦しい重苦しい苦痛る瀬無い憂さ憂い不如意堅苦しい気詰まり忍びないエキセントリック逆上のぼせるのぼせるアブノーマル常軌を逸する乱心取り術無い辛酸をなめる心を痛める艱難かんなん思い煩う

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精選版 日本国語大辞典 「悩ましい」の意味・読み・例文・類語

なやまし・い【悩】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]なやま〘 形容詞シク活用 〙 ( 動詞「なやむ」の形容詞化したもの )
  2. 悩みが多いさま。
    1. (イ) 思いわずらう気持である。気持が苦しくつらい。難儀だ。
      1. [初出の実例]「吾が父の先王は是れ天皇の子たりと雖も、迍邅(ナヤマシキ)に遭遇ひて天位に登りたまはず」(出典:日本書紀(720)顕宗二年八月(図書寮本訓))
    2. (ロ) 困難な状況であるさま。「悩ましいわが家の家計
      1. [初出の実例]「斯う暑くなっては皆さん方が或は高い山に行かれたり、或は涼しい海辺に行かれたりしまして、さうしてこの悩ましい日を充実した生活の一部分として送らうとなさるのも」(出典:幻談(1938)〈幸田露伴〉)
  3. 病気などのために気分が悪い。気分がすぐれない。
    1. [初出の実例]「なやましく侍て、内裏へも参らず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)忠こそ)
  4. 官能が刺激されて心が乱れる思いである。
    1. [初出の実例]「幽かな黄昏の思想を慕ひ恍惚の薄明を待つわかい男の心ほど悩ましいものはあるまい」(出典:桐の花(1913)〈北原白秋〉昼の思)

悩ましいの派生語

なやまし‐が・る
  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙

悩ましいの派生語

なやまし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

悩ましいの派生語

なやまし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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