愛の技術(読み)アイノギジュツ

デジタル大辞泉 「愛の技術」の意味・読み・例文・類語

あいのぎじゅつ【愛の技術】

原題、〈ラテンArs amatoria》古代ローマ詩人オウィディウスによる叙情詩。紀元1年頃の作品。全3巻からなる恋愛指南書で、1、2巻が男性向け、3巻が女性向けの内容。性的描写が露骨だったことから皇帝アウグストゥスの怒りを買い、著者がローマから黒海沿岸のトミスに追放されるきっかけとなったとされる。別邦題「恋愛術」。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「愛の技術」の意味・わかりやすい解説

愛の技術
あいのぎじゅつ
Ars amatoria

ローマの詩人オウィディウスのエレゲイア詩。3巻。前1年刊。1~2巻は男に,3巻は女に,それぞれ異性の心をとらえる手管を説く恋愛指南の書で,一種教訓詩ユーモア機知,人間に対する洞察満ち,当時のローマの都会生活の一面がよく描かれている。平和なローマの遊蕩的な上流社会に大いに受けたが,その不道徳性のゆえに,綱紀引締めの政策をとっていたアウグスツス帝の不興をこうむり,作者は8年に黒海沿岸のトミスに追放されたといわれる。

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