ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「慧超」の意味・わかりやすい解説
慧超
えちょう
Hyech'o
[没]?
朝鮮,新羅の学僧,旅行家。少年時代に渡唐して在唐のインド人高僧,金剛智 (諡号大弘教三蔵〈だいぐきょうさんぞう〉,中国密教の開祖) に師事し,やがて海路インドにおもむき各地の仏跡をめぐった。帰途は葱嶺 (そうれい。パミール) を越えて安西都護府の所在地,亀茲 (きじ) を経て 727年に唐に帰り再び金剛智に学び,さらに不空に師事した。インドから帰国後中国で 50年余を過したらしいが,その没年や他界の地は明らかでない。彼のインド旅行記『慧超往五天竺国伝 (えちょうおうごてんじくこくでん) 』は 1910年偶然にも P.ペリオ (1878~1945) の敦煌 (とんこう) 探検中,その残巻が発見され,西域研究上重要な史料とされている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報