葱嶺(読み)ソウレイ

精選版 日本国語大辞典 「葱嶺」の意味・読み・例文・類語

そう‐れい【葱嶺・嶺】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 あおあおとした嶺。
    1. [初出の実例]「嶺挿銀漢、白峯衝碧落」(出典性霊集‐二(835頃)沙門勝道歴山水瑩玄珠碑)
  2. [ 2 ] パミール高原の中国名。西域の重要な交通路で、中国勢力圏の西境となっていた。
    1. [初出の実例]「蘆洲の月の色は潮に随って満つ 嶺の雲の膚は雪と連なれり〈源順〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)
    2. [その他の文献]〔漢書‐西域伝・上〕

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「葱嶺」の解説

葱嶺(そうれい)
Cungling

パミール(Pamir)高原に対する中国の呼称山中に生える一種ネギからこの名前が生まれたといわれる。東西交通の要路にあたり,ここを通る道は古くから利用されていたが,この名が中国に知られたのは張騫(ちょうけん)の旅行以後である。唐代には安西都護府に属し,この地に葱嶺守捉を置いた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「葱嶺」の解説

葱嶺
そうれい

中央アジアのパミール高原に対する中国の呼称。漢代以後用いられた
語源ペルシア語で峰のふもと,中国では山中に生える葱 (ねぎ) の一種に由来する。東西交通の要路。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「葱嶺」の意味・わかりやすい解説

葱嶺
そうれい
Cong-ling; Ts`ung-ling

パミールの中国名。『漢書』にみえる。中央アジアのタジキスタン最南端の高原地帯。

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世界大百科事典(旧版)内の葱嶺の言及

【パミール高原】より

…また,この地は現在も隆起が続く世界有数の地震帯である。古く紀元前2世紀後半の張騫(ちようけん)の遠征以来,中国では〈葱嶺(そうれい)〉の名で知られ,高原越えの数本のルートは東西交易・文化交流に大きな役割を果たした。【小野 菊雄】。…

※「葱嶺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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