戦争や軍隊にかかわる施設や坑道、建造物、記念碑などで、遺構や戦跡などとして現在に残り、後世に戦禍の記憶を伝えるもの。通常、1868年(明治1)の明治維新から1945年(昭和20)の第二次世界大戦の終わりまでの近代の戦争に関連した遺跡や遺物、痕跡(こんせき)をさしている。戦争遺跡には、以下のようなものがある。(1)役所や学校、研究施設、軍隊の駐屯地や演習場。(2)要塞(ようさい)、飛行場、砲台などの戦闘施設。(3)軍需工場や貯蔵のための施設。(4)鉄道や道路、港湾などの人工構造物。(5)病院や保養所、捕虜収容のための施設。(6)陸海軍基地などの埋葬地や墓地。(7)戦闘や空襲のあった場所。(8)防空壕(ごう)や慰霊碑など。通常、場所や動かすことのむずかしい施設の跡をさすが、その場所に関係のある兵器や生活道具などが含まれることもある。戦争遺跡に該当する国の史跡としては、1995年(平成7)指定の広島市の原爆ドーム(旧、広島県産業奨励館)や、2013年(平成25)指定の西南戦争の激戦地(熊本市など)を集合した西南戦争遺跡などがある。
1995年に文化財保護法が改正され、近代の戦争遺跡を文化財として指定可能になったのを受けて、文化庁は1996年度から近代遺跡の全国調査を行っている。日本各地の戦争遺跡保存団体や文化財保存全国協議会、歴史教育者協議会などで構成される戦争遺跡保存全国ネットワーク(事務局、長野市)によれば、2013年7月時点で国や自治体によって文化財として指定、登録されている戦争遺跡は全国で200件。しかし、指定や保存に関するガイドラインを国が示していないため、歴史や学術上で貴重な戦争遺跡でありながら失われかねない状況にあるものも多い。
[編集部]
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