戸ノ口堰(読み)とのくちぜき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「戸ノ口堰」の意味・わかりやすい解説

戸ノ口堰
とのくちぜき

福島県の猪苗代湖(いなわしろこ)北西岸の戸ノ口(会津若松市)、十六橋水門南側から会津盆地に水を引く堰。全長31キロメートル。1628年(寛永5)八田野(はったの)村の肝煎(きもいり)(名主)が私財を投じて着工したが中止。1636年に会津藩により八田野一帯が灌漑(かんがい)され、1693年(元禄6)には若松城下まで通じた。取水量は灌漑期(5~9月)には毎秒3.858立方メートル、灌漑面積は1865ヘクタールに及ぶ。発電用、上水道にも利用される。

[安田初雄]

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