打掛る(読み)ウチカカル

デジタル大辞泉 「打掛る」の意味・読み・例文・類語

うち‐かか・る【打(ち)掛(か)る/打(ち)懸(か)る】

[動ラ五(四)]
武器などで相手に攻めかかる。勢いよく攻撃する。「竹刀を振り上げて―・る」
もたれかかる。また、かかりきりになる。
親方商売ばかりに―・りて」〈浮・織留・六〉
[可能]うちかかれる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「打掛る」の意味・読み・例文・類語

うち‐かか・る【打掛・打懸】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 武器などで相手に攻めかかる。攻撃する。
    1. [初出の実例]「大嶋、額田、籠沢、岩松が勢に打懸る」(出典:太平記(14C後)一四)
  3. 液体が飛び散って付く。
    1. [初出の実例]「打かかる浪うけながし払ふにぞ水もたまらぬをしのつるぎ羽」(出典:狂歌・吾吟我集(1649)冬)
  4. ( 「うち」は接頭語 ) 近寄る。近づく。
    1. [初出の実例]「此の死(しにし)人に只打(うち)に打懸りて」(出典:今昔物語集(1120頃か)二九)
  5. ( 「うち」は接頭語 ) 支えてもらうために体を寄せかける。もたれかかる。また、人に頼る。寄りかかる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「雪の前殿うちかかり、自害してこそ死し給ふ」(出典:仮名草子・恨の介(1609‐17頃)下)
  6. ( 「うち」は接頭語 ) 他のものにかぶさる。物の表面に覆いかぶさる。
    1. [初出の実例]「乞起走て、頭に打懸たる衣を取り」(出典:今昔物語集(1120頃か)二〇)
  7. ( 「うち」は接頭語 ) 物事にたずさわる。従事する。
    1. [初出の実例]「商売ばかりに打かかりて」(出典:浮世草子・世間手代気質(1730)一)
  8. ( 「うち」は接頭語 ) 物事を始める。とりかかる。
    1. [初出の実例]「我等は又天窓(あたま)を丸め参り下向に打かからふと」(出典:浄瑠璃新版歌祭文お染久松)(1780)野崎村)

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