(読み)ホウ

デジタル大辞泉 「捧」の意味・読み・例文・類語

ほう【捧】[漢字項目]

[名のり]ささげ・たか・もち
両手でささげ持つ。「捧持捧呈捧読
両手で持ちあげるようにしてかかえる。「捧腹
[名のり]ささげ・たか・もち

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精選版 日本国語大辞典 「捧」の意味・読み・例文・類語

ささげ【捧】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 太平洋岸各地の漁村女性が水桶その他を頭の上にのせて運ぶ頭上運搬をいう。
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 平安時代捧げ物を数えるのに用いる。物の枝につけた一組の捧げ物をひとささげという。
    1. [初出の実例]「奉りあつめたる物、千ささげ許あり」(出典:伊勢物語(10C前)七七)

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普及版 字通 「捧」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 11画

(異体字)
10画

[字音] ホウ
[字訓] ささげる・もつ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は奉(ほう)。奉に奉持の意があり、奉は捧の初文。〔釈名、釈姿容〕に「捧はふなり。兩手相ひひて、以て之れを執るなり」と、の声義を以て解する。に従い、鉾杉などに神霊の降る形。神異にうをという。は奉ずべきものでないから、〔説文〕十二上が正字として、「奉なり」と訓するは、捧の正形とはしがたい。

[訓義]
1. ささげる、ささげもつ、神を迎える、木の秀(ほ)つ枝をもつ。
2. 手をあげる、両手をむねにあげる。

[古辞書の訓]
名義抄〕捧 ササグ 〔字鏡集〕捧 オモフ・ツカフ・スル・ヒビク・アグ

[語系]
捧phiongは奉・俸biongと声近く、捧・俸は奉の声義を承ける字である。

[熟語]
捧頤捧饋捧檄・捧持捧日捧手捧承捧觴捧心・捧捧頭・捧読捧負・捧腹捧袂・捧擁
[下接語]
捧・手捧・承捧・親捧・拝捧

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