摩耗試験(読み)まもうしけん(その他表記)abrasion test

精選版 日本国語大辞典 「摩耗試験」の意味・読み・例文・類語

まもう‐しけん【摩耗試験】

  1. 〘 名詞 〙 材料の耐摩耗性を調べる試験潤滑油を用いたり、乾燥状態にしたりするなど、実際の使用状態に近い条件で行なわれる。〔化学繊維(1951)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「摩耗試験」の意味・わかりやすい解説

摩耗試験
まもうしけん
abrasion test

材料試験一種で、材料の摩耗に対する性質を調べる。一般に二つの物体をこすり合わすと摩耗がおこる。機械などで互いにすり合わさる部分は機構上重要な場合が多く、その部分の摩耗が大きいと機械の機能低下をもたらし、寿命を短くするので、材料の耐摩耗性は他の機械的性質と同様に重要である。

 摩耗現象はきわめて複雑で、関係する要因も非常に多く、材料の組合せ、摺動(しゅうどう)条件、すべり速度、接触圧力、接触部の形状潤滑剤温度湿度など多様である。このため材料の摩耗特性を単一の試験方法で簡単に求めることは不可能であり、摩耗試験はそれぞれの場合に応じて設定された条件下で実施しなければならない。摩耗試験は摺動条件により、すべり摩耗、ころがり摩耗、衝撃摩耗の3種の試験に大別される。また、材料の組合せについては、試験片と一定の標準物体との場合と、希望する材料間で行われる場合とがある。摩耗試験に用いられる試験機も多様であり、それぞれの目的に応じて製作されている。

[林 邦夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「摩耗試験」の意味・わかりやすい解説

摩耗試験
まもうしけん
abrasion test

材料試験の一つで,材料の摩耗量を測定する。しかし,材料の摩耗は,材料の機械的性質,表面状態,運動条件,摩擦部の形状,熱伝導性,接触面に介在する物質 (たとえば潤滑油や砥粒) に大きく支配され,かなり複雑なので,一般的な試験機はなく,試験目的ごとに製作される。摩耗は長時間に徐々に進行するため,短時間に摩耗試験を実施することは一般には困難である。力学的に摩耗をみれば,滑り摩耗,転がり摩耗,衝突摩耗に大別できるので,試験機もこの形式に従って分類できる。

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