日本大百科全書(ニッポニカ) 「播磨科学公園都市」の意味・わかりやすい解説
播磨科学公園都市
はりまかがくこうえんとし
兵庫県南西部、西播磨地方の赤穂(あこう)郡上郡(かみごおり)町、佐用(さよう)郡佐用町、たつの市にまたがる学術研究都市。西播磨テクノポリスの拠点都市である。1982年(昭和57)に策定された西播磨テクノポリス基本構想は、吉備(きび)高原東端の2010ヘクタールを3工区に分け順次整備する計画である。そのうち、2014年(平成26)時点で整備されているのは第1工区の960ヘクタールで、産、学、住、遊の調和を重視した区分けとしている。第1工区の計画人口は約5100人。都市のトータルコンセプトは「人と自然と科学が調和する高次元機能都市」、デザインコンセプトは「時間とともに成長する森の中の都市」。景観や建築物の設計・構築はアーバンデザイン計画のもと、世界的に著名な建築家や造園家の指導のもとに進められた。1991年(平成3)姫路工業大学(現、兵庫県立大学)理学部、西播磨コンピュータ・カレッジ(のちに、はりまコンピュータ・カレッジと改称。2007年3月廃校)が開校。1993年には兵庫県立先端科学技術支援センターが開設された。集合住宅や戸建て住宅の建設にあわせて小・中・高等学校も開校し、1997年には「まちびらき」フェスティバル記念式典も行われた。1997年に日本原子力研究所(現、日本原子力研究開発機構)と理化学研究所が世界最大級の大型放射光施設(SPring-8(スプリングエイト))を完成させ、大学、国公立研究機関、民間の研究者などが共用している。ほかに中型放射光施設(ニュースバル)、X線自由電子レーザー施設(SACLA(サクラ))、兵庫県立粒子線医療センターなどがある。住友電気工業、ダイセル、凸版印刷などの企業も進出している。
[編集部]