教育未来創造会議(読み)きょういくみらいそうぞうかいぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「教育未来創造会議」の意味・わかりやすい解説

教育未来創造会議
きょういくみらいそうぞうかいぎ

教育改革を提言する政府の組織(内閣総理大臣の私的諮問機関)。岸田文雄政権閣議決定に基づいて2022年(令和4)に発足した。第二次安倍晋三(あべしんぞう)政権から菅義偉(すがよしひで)政権まで存在した教育再生実行会議の後継組織である。未来を担う人材を育成するため、「高等教育をはじめとする教育の在り方について、国としての方向性を明確にするとともに、誰(だれ)もが生涯にわたって学び続け学び直しができるよう、教育と社会との接続の多様化・柔軟化を推進する」ことを目的とする。内閣総理大臣が議長を務め、内閣官房長官文部科学大臣、経済産業大臣ら9閣僚と15人の有識者(過半は女性)で構成する。座長は元慶応義塾塾長の清家篤(せいけあつし)(1954― )。有識者として、俳優のいとうまい子(1964― )、脳科学者の中野信子(1975― )、ユーグレナ執行役員の高橋祥子(たかはししょうこ)(1988― )らがメンバーである。事務局を内閣官房におく。2022年夏までに第一次提言をまとめる予定である。デジタルや人工知能AI)など成長分野の人材育成策、社会人が学び直すリカレント教育環境整備、卒業後の所得に応じた「出世払い方式の奨学金制度の導入遠隔授業などデジタル技術を駆使した教育改革、大学法人のガバナンス改革などについて提言する見込み。これらを経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に反映し、必要な法整備や予算措置に取り組む。

[矢野 武 2022年6月22日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android