デジタル大辞泉
「散」の意味・読み・例文・類語
ばら【▽散】
1 もともと、ひとまとまりとして扱われていた物が、一つ一つ別になった状態。また、そのもの。「散で売る」「散にする」
2 「散銭」の略。
さん【散】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ちらし【散】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「ちらす(散)」の連用形の名詞化 )
- ① 散らすこと。また、細かく切って散らしかけるもの。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ② 広告するために、人に配る刷り物。引きふだ。
- [初出の実例]「加賀の小松に名を触す也〈潘川〉 慰におとりの散(ちらシ)こしらへて〈野径〉」(出典:俳諧・白馬(1702)下)
- 「散らし配りて薬売」(出典:浄瑠璃・本朝二十四孝(1766)四)
- ③ 特に、課題・締切・撰者の名などを書いて発句を募集する引きふだ。
- [初出の実例]「俳諧の題をしるしたる、月並の法条(チラシ)そのほか番附など張てあり」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)四)
- ④ 和歌の衆議判のとき、一人に一冊ずつ配る歌の冊子。
- ⑤ カルタ取りで、ふだをまきちらして、読むに従って争いとるやり方。また、そのときのカルタのふだ。
- [初出の実例]「『さあ、奥へ行って、今とりかけの』『ちらしを取って』『遊ばうわいな』」(出典:歌舞伎・三題噺高座新作(髪結藤次)(1863)三幕)
- ⑥ 「ちらしもよう(散模様)」「ちらしもん(散紋)」などの略。
- [初出の実例]「無地の衣裳なりしもちらしをつけ、鹿子をまじへ」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一四)
- ⑦ 煎(い)った麦や米の粉、みかんの皮、山椒などの細末を湯に浮かべた飲物。香煎湯。
- [初出の実例]「あがり湯のくれやう、ちらしをのませ、浴衣の取さばき」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)一)
- ⑧ 煎じたての香りのいい茶。散茶。
- [初出の実例]「散茶とは今いふ煮ばなにて好茶なり、ちらしともいへり」(出典:随筆・嬉遊笑覧(1830)九上)
- ⑨ =ちらしずし(散鮨)
- [初出の実例]「散し、ごもく鮓ともに有之。起し鮓とも云」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)二八)
- ⑩ ( 「くいちらし(食散)」の略 ) 方々の異性に手を出すこと。また、その人。あちこちのみせに行って一か所になじまないもの。江戸深川の遊里の語。ちらし食い。
- [初出の実例]「おゑねへちらしなお客だよ」(出典:洒落本・玉之帳(1789‐1801頃)一)
- ⑪ あちこちに散らばっているもの。
- [初出の実例]「五十円ありゃア沢山だ。我輩なんぞは、纏ったのは僅に三十位だ。最も散(チラ)しが二十位はある」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉六)
- ⑫ 使用人などに、分量を限らないで食わせる飯。
- [初出の実例]「チチチちらしだとヨヨヨよけれど、ブブぶんぬきにゃアこまるなア」(出典:洒落本・卯地臭意(1783))
- ⑬ 風呂から上がるときに、からだにかけて清める湯。かかり湯。
- [初出の実例]「かかり湯のことを散しと云し也」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)二二)
- ⑭ 地唄・箏曲の楽曲の構成単位。手事という長い合の手(間奏)の終わりにあって、手事の気分を散らし、気分転換をして、次の歌に入る過渡的な役割を持つ。速度が速く、安定感がないのが特徴。
- ⑮ 歌舞伎舞踊曲の構成単位。曲の終わりの方にあって、速度は速く、盛り上がりの感じられる律動的な部分。
- [初出の実例]「チラシ 我ふりすてて一声ばかり、いづくへゆくぞ山ほととぎす」(出典:歌謡・松の葉(1703)二)
- ⑯ 「ちらしがき(散書)」の略。
- ⑰ 「ちらしがみ(散髪)」の略。
- [初出の実例]「洗ったと見えてちらしに下げて居た髪を振り振り寿代さんは」(出典:黒い眼と茶色の目(1914)〈徳富蘆花〉三)
ちり【散】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「ちる(散)」の連用形の名詞化 )
- ① 散ること。また、散らしたもの。
- [初出の実例]「このゆふへ降りくる雨は彦星の早漕ぐ船の櫂(かい)の散(ちり)かも」(出典:万葉集(8C後)一〇・二〇五二)
- ② 建築で、二つの材の面が不揃いになる時、その出っ張ったり、または、引っこんだりした部分。
- [初出の実例]「又方立と鴨居・敷居のちりは、かな物に少ちりを見るへし」(出典:匠明(1608‐10)殿屋集)
- ③ 本の表紙で中身より出っ張った部分。
- [初出の実例]「表紙の付やうは板紙(ぼーる)を本の寸法より三方へ凡一分位のチリを付て切(きり)、クロースをくるむなり」(出典:風俗画報‐一〇八号(1896)人事門)
さん【散】
- [ 1 ] 〘 名詞 〙
- ① こなぐすり。また、接尾語的に用いて、こなぐすりの名に添える。「敗毒散」
- [初出の実例]「三蔵送二散十六ケ一。分二人々一了」(出典:参天台五台山記(1072‐73)六)
- ② 去ること。逃げること。また、花が散ること。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [ 2 ] 〘 接頭語 〙 位階を示す名詞の上に付いて、位があって、官職のないことを示す語。「散一位」など。
ばら【散】
- 〘 名詞 〙
- ① まとまっていないこと。ばらばらであること。また、そのもの。
- [初出の実例]「二三枚原書の散乱(バラ)になったのを貸たまへ」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一二)
- ② 「ばらせん(散銭)」の略。
- [初出の実例]「もらいやうもしっているがそれもばらだ」(出典:洒落本・契情買虎之巻(1778)五)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「散」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の散の言及
【ちらし】より
…日本の芸能・音楽の用語。〈チラシ〉〈散〉とも書かれる。楽曲の構成上,終結部ないし付加的な部分についていわれるもので,〈気分を散らす〉という言葉から出たものともいわれる。…
※「散」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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