文盲(読み)モンモウ

精選版 日本国語大辞典 「文盲」の意味・読み・例文・類語

もん‐もう‥マウ【文盲・蚊虻】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 無学なこと、ものを知らないこと。本質をわきまえないこと。また、その人やそのさまなどをいった語。
    1. [初出の実例]「文盲にこそおはせしかど〈略〉有識におはしまして」(出典:大鏡(12C前)三)
  3. 文字の読み書きができないこと。また、その人やそのさまなどをいった語。
    1. [初出の実例]「Monmǒna(モンマウナ) ヒト」(出典日葡辞書(1603‐04))
  4. 野暮で、たしなみのないこと。無粋なこと。また、そのさまなどをいった語。
    1. [初出の実例]「あらひがきの袷帷子に、ふと布の花色羽織に、さし渡し四寸五分計の紋に鎌と輪とぬの字を付て、蚊虻(モンモウ)なる出立」(出典:浮世草子好色一代男(1682)五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の文盲の言及

【識字運動】より

…非識字率は年々低くなってはいるが,地域によってちがい,1995年現在(ユネスコ統計),欧米地域,日本などではほとんど1%以下であるのに対し,アラブ,アフリカなどでは50%を超えている国も多い。20世紀最初の識字運動はソ連において,文盲が多いところには国民のための政治はないというレーニンの指導下にすすめられ,また中国では抗日戦のさなか,巡回学校・小先生(字を覚えた子どもがおとなに教える)など,さまざまな創意くふうをこらした運動が展開された。第2次大戦後,民族解放・独立の達成とともに多くの国でこの運動が展開され,キューバでは1961年を〈教育の年〉として大規模な運動が行われ,23.6%の文盲率を3.9%にまでさげ,またミャンマー(ビルマ),ベトナム,70年代後半にはイラクやエチオピアでも開始された。…

※「文盲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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