ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新古典主義建築」の意味・わかりやすい解説 新古典主義建築しんこてんしゅぎけんちくNeo-classical architecture 1750年代から,バロック建築,ロココ建築に対する反動として興った古典主義建築。ネオクラシック建築ともいう。自然と理性に基づいた明快な原理を求める社会状況と,ポンペイ,その他の古代遺跡の発見と考古学的調査による新しい古代への興味も大きな要因となった。新古典主義建築の代表的作品として,J.スフロのパリのパンテオン (1757起工) ,J.ソーン卿のイングランド銀行 (88以後) ,L.クレンツェのミュンヘンのグリュプトテーク (1816~34) ,K.シンケルのベルリンの主衛兵所 (18) ,王立劇場 (18~21) ,旧美術館 (23~30) ,R.スマーク卿の大英博物館 (23~47) などがある。新古典主義建築は,ルネサンス建築と比べて,一般に重々しく,装飾は抑制され,円柱は独立して用いられる傾向があり,細部は考古学的な実例に準拠するものが多かった。 19世紀中期以降には,上記のような厳格な新古典主義の理想は失われ,比較的豊かな装飾,絵画的構成,文学的,歴史的連想を伴うものが好まれたが,各種様式のリバイバルのなかで,古典様式は 1930年頃まで根強く行われてきており,これらも,しばしば「新古典主義」と呼ばれる。また,ロシア建築におけるスターリン時代 (1932~53) のいわゆる社会主義リアリズムの建築も「新古典主義」と呼ばれている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by