改訂新版 世界大百科事典 「新歌舞伎座」の意味・わかりやすい解説
新歌舞伎座 (しんかぶきざ)
大阪市中央区難波にあった劇場。正式には大阪新歌舞伎座という。1958年10月千土地興業株式会社(現,日本ドリーム観光株式会社)によって建設された。総工費12億円,設計村野藤吾により外観は桃山風唐破風造り,地上5階地下2階,客席は1階771,2階569,3階495,計1835。舞台間口60m,奥行40m,高さ32m。立地条件の関係から回り舞台はなく,代りに舞台一面の屋台が中央から二つに割れて左右に引っこみ,その下から別の屋台のセットがセリ上がるスライディング・ステージを設けたのが特色。1932年大阪千日前に建設された大阪歌舞伎座は関西歌舞伎の中心であったが,58年4月経営不振のため閉鎖された。新歌舞伎座はその後身である。2009年に閉館したが,10年天王寺区上本町に新たに開館した。
執筆者:権藤 芳一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報