共同通信ニュース用語解説 「日本の国立公園」の解説
日本の国立公園
美しい自然景観を守るため、1934年に瀬戸内海、雲仙、霧島の3カ所が日本初の国立公園に指定され、その後、北海道から沖縄県まで34カ所に拡大した。総面積約2・2万平方キロのうち約26%を私有地が占め、保護と利用の両面で官民が連携、協力しているのが特徴。過剰利用や外来種による生態系のかく乱といった問題も一部で起きている。
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美しい自然景観を守るため、1934年に瀬戸内海、雲仙、霧島の3カ所が日本初の国立公園に指定され、その後、北海道から沖縄県まで34カ所に拡大した。総面積約2・2万平方キロのうち約26%を私有地が占め、保護と利用の両面で官民が連携、協力しているのが特徴。過剰利用や外来種による生態系のかく乱といった問題も一部で起きている。
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阿寒摩周(あかんましゅう)
〔特徴〕北海道、知床(しれとこ)半島の南西に続く火山性の山地を占める。雄(お)阿寒岳(1370メートル)、雌(め)阿寒岳(1499メートル)、カムイヌプリ(摩周岳。857メートル)などの山々と阿寒湖、摩周湖、屈斜路(くっしゃろ)湖などの湖があり、それらを結ぶ観光道路が整備されている。
〔指定年〕1934
〔面積〕9万1413ヘクタール
足摺宇和海(あしずりうわかい)
〔特徴〕四国の宇和海西部から南部にかけての南国的な海岸公園。愛媛県の海岸は、出入りが多く、日振(ひぶり)島、御五神(おいつがみ)島などもあって変化に富む。高知県土佐清水の竜串(たつくし)や千尋岬(ちひろざき)では、隆起海食台の奇岩が、足摺岬の周辺では海岸段丘が見られる。
〔指定年〕1972
〔面積〕1万1345ヘクタール
阿蘇くじゅう(あそくじゅう)
〔特徴〕熊本、大分両県にまたがる。別府(べっぷ)の背後の鶴見岳(1375メートル)、由布(ゆふ)岳(1583メートル)から湯布院(ゆふいん)を経て九重(くじゅう)火山群、阿蘇へと続く。阿蘇カルデラは東西約18キロメートル、南北約25キロメートル、その外輪山は、300~500メートルの高さで連なり、世界有数の規模である。九重火山群は久住(くじゅう)山(1787メートル)を中心にして星生(ほっしょう)山(1762メートル)、三俣(みまた)山(1744メートル)、大船(だいせん)山(1786メートル)などの火山が峰を連ね、登山、ハイキング、キャンプなどに利用される。別府から九重を経て阿蘇に至る道路は、九州観光の幹線ルートとなっている。
〔指定年〕1934
〔面積〕7万2678ヘクタール
奄美群島(あまみぐんとう)
〔特徴〕鹿児島県南部の奄美諸島に位置する。うち海域公園は笠利(かさり)半島東海岸、摺子(すりこ)崎、大島海峡、与論(よろん)島礁湖、与論海岸の5地区にわたる。奄美大島南部のリアス海岸、河口部のマングローブ林、湯湾(ゆわん)岳の亜熱帯広葉樹林、喜界(きかい)島の隆起サンゴ礁地形、徳之島の犬田布(いんたぶ)岬や花崗(かこう)岩の巨岩が連なるムシロ瀬、沖永良部(おきのえらぶ)島の鍾乳洞(しょうにゅうどう)群、与論島の海岸地形などが見られる。
〔指定年〕2017
〔面積〕4万2181ヘクタール
伊勢志摩(いせしま)
〔特徴〕紀伊半島東端の志摩半島海岸部と、伊勢神宮からその背後の宮域林を含む一帯。沈水海岸特有の屈曲や小島群の間に真珠やカキの養殖筏(いかだ)が浮かぶ穏やかな風景をみせる。鳥羽(とば)湾、的矢(まとや)湾、英虞(あご)湾、五ヶ所(ごかしょ)湾、南島海岸と続く湾入は変化に富む。伊勢神宮の宮域林は、アカガシ、イチイガシ、シイなどの常緑広葉樹に、スギ、アカマツなどを交えたもので、学術的価値が高い。
〔指定年〕1946
〔面積〕5万5544ヘクタール
西表石垣(いりおもていしがき)
〔特徴〕沖縄本島から約420キロメートル南西方に浮かぶ西表島、石垣島をはじめとし、両島間に点在する黒島、竹富島、新城(あらぐすく)島などと、それらを取り囲む海域からなる。2007年(平成19)、石垣島地域が追加指定され、西表国立公園から現名に改称。西表島にはマングローブ(熱帯や亜熱帯の海岸や河口の海水、または淡海水に生える常緑低木、あるいは高木の一群)やカシ、シイ、タブなどの照葉樹の原生林があり、北海道の知床(しれとこ)と好一対の原生林地域をなす。竹富島から石垣島にかけてのサンゴ礁(石西礁湖(せきせいしょうこ))は長さ約20キロメートル、幅約15キロメートルの日本最大級のもの。
〔指定年〕1972
〔面積〕4万0653ヘクタール
雲仙天草(うんぜんあまくさ)
〔特徴〕長崎県の雲仙地域と熊本県の天草諸島(一部は鹿児島県)を占める。雲仙は山麓に扇状地や側火山をもつ成層火山で、断層運動のため地形が複雑である。高原、湖沼、地獄現象(雲仙地獄とよばれる噴気現象)などもあり、ミヤマキリシマの群落が多い。天草は島原半島の南に続く群島で、天草松島や八代(やつしろ)海側の内海の島々と天草下島の海食景観が知られる。また、この一帯には隠れキリシタンにまつわる史跡が多い。
〔指定年〕1934
〔面積〕2万8279ヘクタール
小笠原(おがさわら)
〔特徴〕東京都心から南南東およそ1000~1250キロメートルに位置する小笠原諸島を公園域とする。海洋で隔絶された大洋島であるため、動植物の固有種が多い。オガサワライトトンボ、オガサワラツツジ、シマホザキランなど。
〔指定年〕1972
〔面積〕6629ヘクタール
尾瀬(おぜ)
〔特徴〕日本最大の山岳湿原である尾瀬ヶ原と尾瀬沼を中心として、それを取り囲むように位置する燧ヶ岳(ひうちがだけ)(2356メートル)、至仏山(しぶつさん)(2228メートル)、荷鞍山(にくらやま)(2024メートル)、袴腰山(はかまごしやま)(2042メートル)などが知られる。ほかに帝釈山(たいしゃくざん)(2060メートル)、駒ヶ岳(こまがたけ)(2133メートル)を中心とする地域を含む。高層湿原植物の宝庫。
〔指定年〕2007
〔面積〕3万7200ヘクタール
霧島錦江湾(きりしまきんこうわん)
〔特徴〕鹿児島、宮崎両県にまたがる。霧島火山地域、および桜島から佐多岬、指宿(いぶすき)までの鹿児島湾(錦江湾)の二つの地域からなる。霧島は、韓国(からくに)岳(1700メートル)、高千穂峰(たかちほのみね)(1574メートル)など23座の火山とミヤマキリシマの群落で知られる。桜島は、現在も盛んに噴煙をあげる活火山。指宿地区には薩摩富士とよばれる開聞(かいもん)岳(924メートル)や九州最大のカルデラ湖である池田湖などがある。
〔指定年〕1934
〔面積〕3万6586ヘクタール
釧路湿原(くしろしつげん)
〔特徴〕北海道、釧路市の郊外に展開する広大な湿原。キタヨシを主とした低層湿原のほかミズゴケを主とする高層湿原を見ることができる。野生動物は約600羽のタンチョウをはじめとし、キタサンショウウオ、エゾカオジロトンボ、イイジマルリボシヤンマなどが生息。
〔指定年〕1987
〔面積〕2万8788ヘクタール
慶良間諸島(けらましょとう)
〔特徴〕沖縄本島西方沖の慶良間諸島およびその周辺海域からなる。公園区域の大半が海域。島の周囲にサンゴが高密度に生息し、2005年(平成17)にはラムサール条約登録湿地となった。ザトウグジラの繁殖海域としても貴重であり、沿岸から海域にかけて多様な生態系を有する。
〔指定年〕2014
〔面積〕9万3995ヘクタール(陸域3520ヘクタール、海域9万0475ヘクタール)
西海(さいかい)
〔特徴〕長崎県、佐世保(させぼ)市の九十九(くじゅうく)島から北西の平戸(ひらど)島、さらに西に続く五島(ごとう)列島を含む。大小400余の島々からなる多島海景観。九十九島は200余の島々、五島列島の若松瀬戸では約30の島々が複雑に入りくんで浮かぶ。福江島の玉之浦、阿値賀(あじか)島、生月(いきつき)島、嵯峨(さが)ノ島などに海食崖(がい)がある。
〔指定年〕1955
〔面積〕2万4646ヘクタール
山陰海岸(さんいんかいがん)
〔特徴〕京都府の網野(あみの)海岸から鳥取県の鳥取砂丘まで、延長約75キロメートルに及ぶ海岸公園。久美浜(くみはま)湾、竹野、香住(かすみ)、但馬(たじま)、浦富(うらどめ)、鳥取砂丘と景勝地が続き、海食崖(がい)、洞門、洞窟(どうくつ)などが狭い地域に密集する。鳥取砂丘は南北2キロメートル、東西16キロメートル、砂丘の起伏量が約100メートルにも達するところがある。
〔指定年〕1963
〔面積〕8783ヘクタール
三陸復興(さんりくふっこう)
〔特徴〕青森、岩手、宮城の3県の太平洋岸を占める。1955年(昭和30)岩手県の久慈(くじ)海岸から宮城県の気仙沼(けせんぬま)湾までの区域が陸中海岸国立公園(1955年指定)として指定され、2013年(平成25)に青森県南東部の種差(たねさし)海岸階上岳(はしかみだけ)県立自然公園(八戸市(はちのへし)の蕪島(かぶしま)から南東の大久喜(おおくき)に至る太平洋岸地域)を編入して、現在の名称となった。2015年には南三陸金華山(きんかざん)国定公園(北は気仙沼市から南は牡鹿(おしか)半島まで)を編入。北山崎の海食崖(がい)、佐賀部(さかべ)のウミネコ繁殖地、浄土ヶ浜(じょうどがはま)の海食景観、船越大島の海食台地、大船渡(おおふなと)の碁石(ごいし)海岸などの景勝地がある。クロコシジロウミツバメ、オオミズナギドリ、ヒメクロウミツバメなど海鳥の繁殖地が多い。
〔指定年〕1955
〔面積〕2万8539ヘクタール
支笏洞爺(しこつとうや)
〔特徴〕北海道南西部、支笏、洞爺の二つのカルデラ湖と、羊蹄(ようてい)山(1898メートル)が主地域。古い火山と現在も活発な活動を示す新しい火山が混在する。温泉が多く、豊平(とよひら)川の上流の定山渓(じょうざんけい)、倶多楽(くったら)カルデラの麓(ふもと)の登別(のぼりべつ)、洞爺湖畔の洞爺湖温泉などの温泉がある。
〔指定年〕1949
〔面積〕9万9473ヘクタール
上信越高原(じょうしんえつこうげん)
〔特徴〕長野、群馬、新潟の3県にまたがり、山岳と高原を主とする。苗場(なえば)山(2145メートル)、白根山(2160メートル)、浅間(あさま)山(2568メートル)、谷川岳(1977メートル)を含む地域と、妙高(みょうこう)山(2454メートル)から戸隠(とがくし)山(1904メートル)にかけての二つの地域からなる。代表的な高原として、妙高高原、戸隠高原、志賀草津(しがくさつ)高原、菅平(すがだいら)高原、浅間高原があり、夏は野外レクリエーションの場、冬はスキー場にもなっている。
〔指定年〕1949
〔面積〕14万8194ヘクタール
知床(しれとこ)
〔特徴〕北海道の東北部、知床半島北半を占める。険しい火山連峰と原生林に覆われた山岳、海食崖が発達した海岸景観を有する。植物では、ハマナス、イワベンケイなどの海岸植生、エゾマツ、トドマツ、ミズナラなどからなる針広混交林、ハイマツ、ガンコウラン、シレトコスミレなどの高山植物。動物では、ヒグマ、エゾシカなど大型獣類、オジロワシ、シマフクロウなどの希少大型鳥類、トド、ゴマフアザラシなどの海獣類が生息。
〔指定年〕1964
〔面積〕3万8636ヘクタール
瀬戸内海(せとないかい)
〔特徴〕大阪、和歌山、兵庫、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡、大分の瀬戸内海沿岸1府10県に及ぶ。瀬戸内海の風景の最大の見どころは、多島海景観にあるため、公園区域も、家島(いえしま)諸島、備讃(びさん)諸島、芸予(げいよ)諸島など多くの島々と、それらを眺める展望地点からなる。また、段々畑や古い港町の家並み、巡航船や物資運搬船の行き交うようすなど、古くから自然のなかに溶け込んだ人間の営みも貴重な風景といえる。
〔指定年〕1934
〔面積〕6万6934ヘクタール
大雪山(たいせつざん)
〔特徴〕北海道のほぼ中央、日本最大の国立公園。大雪山群や、トムラウシ山(2141メートル)、十勝(とかち)岳(2077メートル)などの火山群と、褶曲(しゅうきょく)山脈の石狩(いしかり)岳(1967メートル)などからなる。層雲峡では銀河、流星などの滝や大函(おおばこ)、小函(こばこ)の奇景が見られる。
〔指定年〕1934
〔面積〕22万6764ヘクタール
大山隠岐(だいせんおき)
〔特徴〕鳥取、島根、岡山の3県にまたがる。大山(1729メートル)から蒜山(ひるぜん)(1202メートル)までの山岳地帯と、隠岐諸島、島根半島の海岸部、それに三瓶(さんべ)山一帯の四つの地域からなる。大山は、山頂部の崩壊のため、方向を変えて見ると違った山容を現す。西側からは伯耆(ほうき)富士とよばれる富士山型になり、北側や南側から見れば岩壁がそそり立ち、険しい風景となる。隠岐諸島の海食景観では知夫里島(ちぶりしま)の赤壁、島後(どうご)の白島、西ノ島の国賀(くにが)の断崖などが知られる。
〔指定年〕1936
〔面積〕3万5353ヘクタール
秩父多摩甲斐(ちちぶたまかい)
〔特徴〕東京都と埼玉・山梨・長野の1都3県にまたがる。雲取山、甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)、金峰山(きんぷさん)などの2000メートル級の山が連なるが、火山を含まず、山々はほとんどが秩父中・古生層などの水成岩からなる。シラビソ、コメツガなどからなる原生林が発達し、その下部にブナ、カエデなどの落葉広葉樹林が広がる。クマ、シカ、カモシカ、サルなど多くの野生動物が生息。急斜面に点在する畑や民家が美しい山村集落の風景をつくる。
〔指定年〕1950
〔面積〕12万6259ヘクタール
中部山岳(ちゅうぶさんがく)
〔特徴〕新潟、長野、富山、岐阜の4県にまたがる。白馬(しろうま)岳(2932メートル)、三霊山の一つである立山(たてやま)(3015メートル)、槍ヶ岳(やりがたけ)(3180メートル)、穂高(ほたか)岳(3190メートル)、乗鞍(のりくら)岳(3026メートル)など3000メートル級の高山が並び、その間に黒部、双六(すごろく)、高瀬、梓(あずさ)などの河川が深い谷を刻む。弥陀ヶ原(みだがはら)、五色ヶ原(ごしきがはら)、雲ノ平(くものたいら)などの溶岩台地では原生林やお花畑が見られる。ニホンカモシカ、ライチョウなどの野生動物も多い。上高地、乗鞍岳、立山の室堂(むろどう)などは、交通の便がよく、登山者でなくとも容易に景観を楽しむことができる。
〔指定年〕1934
〔面積〕17万4323ヘクタール
十和田八幡平(とわだはちまんたい)
〔特徴〕青森、秋田、岩手の3県にまたがる。八甲田(はっこうだ)山から十和田湖にかけてと、八幡平から駒ヶ岳(こまがたけ)(1637メートル)にかけての2地域からなる。十和田湖から流れ出る奥入瀬(おいらせ)川は美しい渓流。田代元湯(たしろもとゆ)、猿倉(さるくら)、玉川、後生掛(ごしょがけ)、蒸ノ湯(ふけのゆ)、酸ヶ湯(すかゆ)など、素朴な温泉が多い。
〔指定年〕1936
〔面積〕8万5534ヘクタール
日光(にっこう)
〔特徴〕栃木県北部を中心に群馬、福島の3県にまたがる。北から那須、鬼怒(きぬ)川、日光などの地域が続き、山岳、高原、湖沼、湿原、瀑布(ばくふ)が数多く見られる。日光は、東照宮(とうしょうぐう)、二荒山(ふたらさん)神社、輪王寺といった文化財が多く、那須、鬼怒川には温泉が多い。なお2007年(平成19)に尾瀬地域を尾瀬国立公園として分離している。
〔指定年〕1934
〔面積〕11万4908ヘクタール
白山(はくさん)
〔特徴〕石川、福井、岐阜、富山の4県にまたがる。白山信仰の霊峰である白山(2702メートル)を中心として、南北約40キロメートルに延びる山岳公園。高山帯を除く大部分はブナ、ミズナラ、トチノキ、カエデ類などの林に覆われ、ハクサンの名のついた高山植物が約30種類に及ぶ。
〔指定年〕1962
〔面積〕4万9900ヘクタール
磐梯朝日(ばんだいあさひ)
〔特徴〕福島、山形、新潟の3県にまたがる。出羽(でわ)三山から大朝日岳(1871メートル)にかけての一帯、飯豊(いいで)山(2105メートル)周辺、西吾妻(あづま)山(2035メートル)から磐梯山(1816メートル)にかけての一帯と猪苗代(いなわしろ)湖という四つの地域からなる。豪雪地帯であるため、雪の重さやなだれによって侵食された険しい地形(雪食地形)がみられる。裏磐梯一帯は桧原(ひばら)、秋元、小野川の裏磐梯三湖や五色(ごしき)沼などの美しい湖沼群を中心とした観光拠点。
〔指定年〕1950
〔面積〕18万6389ヘクタール
富士箱根伊豆(ふじはこねいず)
〔特徴〕神奈川、静岡、東京、山梨の1都3県にまたがる。日本の最高峰富士山(3776メートル)とその周辺、箱根、伊豆半島および伊豆七島を含む。山岳、湖沼、森林、海岸、島と変化に富む。富士山麓(さんろく)には、富士五湖をはじめ溶岩トンネル、青木ヶ原樹海、白糸の滝など、箱根は、温泉と火山、また、数多くの史跡がある。伊豆半島は、温暖な気候と多くの温泉に恵まれた野外レクリエーション地域。伊豆七島は、活火山の大島、海岸美の式根島、野鳥の豊かな三宅(みやけ)島、海食崖の御蔵(みくら)島など個性ある島が並ぶ。
〔指定年〕1936
〔面積〕12万1749ヘクタール
南アルプス(みなみあるぷす)
〔特徴〕山梨、長野、静岡3県にまたがる。赤石(あかいし)山脈が主要部を占め、南北約50キロメートル、東西約15キロメートルに及ぶ。北岳(3193メートル)、赤石岳(3121メートル)などの3000メートルを超える高山10座以上を擁する。ツガ、モミ、トウヒなどの原生林や氷食地形の一つのカールが見られ、お花畑が広がる。登山が主体の公園。
〔指定年〕1964
〔面積〕3万5752ヘクタール
妙高戸隠連山(みょうこうとがくしれんざん)
〔特徴〕新潟・長野両県にまたがる。1956年(昭和31)に妙高・戸隠地域(西部地域)として上信越高原国立公園に追加指定されたが2015年(平成27)に分離、妙高戸隠連山国立公園として指定された。妙高火山群に属する妙高山、焼(やけ)山、黒姫(くろひめ)山、飯縄(いいづな)山や戸隠連峰、野尻(のじり)湖などがある。戸隠山、飯縄山は山岳信仰が盛ん。日本海側の火打(ひうち)山にはライチョウの生息域がある。地域の高原は夏に避暑地、冬にはスキー場として開発・利用されており、温泉保養地も多い。
〔指定年〕2015
〔面積〕3万9772ヘクタール
屋久島(やくしま)
〔特徴〕鹿児島県の屋久島と口永良部(くちのえらぶ)島からなる。屋久島は洋上アルプスとよばれる山岳島で、九州の最高峰である宮之浦(みやのうら)岳(1936メートル)などの高峰がそびえる。多雨地域で、島全体が森林で覆われる。樹齢1000年を超える屋久杉が標高700~1600メートルに数多く見られ、とくに縄文杉、大王杉などが有名。世界遺産として、1万0747ヘクタール(島の約5分の1)が登録された。
〔指定年〕2012
〔面積〕2万4566ヘクタール
やんばる
沖縄県の沖縄本島北部の山原(やんばる)地域(国頭(くにがみ)郡国頭村、大宜味(おおぎみ)村、東(ひがし)村)を公園域とする。一部は沖縄海岸国定公園域であったが、やんばる国立公園に編入された。地域は亜熱帯照葉樹林が広がり、ヤンバルクイナ、ノグチゲラなどの多種多様な固有動植物や希少動植物の生息地。辺戸(へど)岬における石灰岩の海食崖(がい)、辺戸岳一帯のカルスト地形、慶佐次(げさし)湾のヒルギ林(マングローブ林)、与那覇岳(よなはだけ)、比地大滝(ひじおおたき)、茅打(かやうち)バンタ(断崖絶壁)、塩屋湾など多様な自然環境を有している。
〔指定年〕2016
〔面積〕1万7311ヘクタール
吉野熊野(よしのくまの)
〔特徴〕奈良、和歌山、三重の3県にまたがる。吉野山から大台ヶ原(おおだいがはら)山までの山岳地帯と、紀伊半島東部の海岸、北山川、熊野川一帯。吉野山は史跡と桜の名所。修験道の霊場・大峰山に連なる大台ヶ原山は隆起準平原でブナ、トウヒなどの天然林を残し、ツキノワグマ、ニホンジカなどの動物が多い。北山川の下流の瀞(どろ)八丁は、谷底を削ってできた深淵。那智権現(なちごんげん)の神滝である那智の滝は、高さ133メートル、日本有数の名瀑(めいばく)。
〔指定年〕1936
〔面積〕6万1406ヘクタール
利尻礼文サロベツ(りしりれぶんさろべつ)
〔特徴〕北海道北端、利尻・礼文両島と、サロベツ原野が主地域。侵食が進んだ利尻山(1721メートル)の山容と、礼文島の桃岩付近のレブンサイコ、レブンウスユキソウなどの高山植物。
〔指定年〕1974
〔面積〕2万4166ヘクタール
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