都城市・小林市・
霧島山とも通称され、古くは
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
宮崎県の南西部、鹿児島県との境にある韓国(からくに)岳(1700メートル)に次ぐ霧島山(きりしまやま)第2の高峰。標高1574メートル。典型的なコニーデ型複合火山で、西部に御鉢(おはち)(鹿児島県)、東部に二ツ石(ふたついし)(二子石)の寄生火山を従えた美しい山容である。東麓(とうろく)には火口湖御池(みいけ)、北西部は中岳、新燃(しんもえ)岳から韓国岳に至る火山が連なっている。御鉢は直径東西約550メートルのホマーテ型の広い火口があり、深さは約200メートルある。二ツ石は直径約500メートルの火口があるが、東部は侵食が進んで形は不明瞭(ふめいりょう)である。高千穂峰は円錐(えんすい)状の山頂で、火口は完全にふさがっている。高千穂峰の火山活動の歴史は比較的新期に属し、御鉢は今日も噴気活動を続けている。
霧島噴火の記録は742年(天平14)以来36回を数えるが、御鉢の噴火と確認できるのは13回で、最近年の記録は1913~1914年(大正2~3)である。これらの噴火によって、霧島岑神社(きりしまみねじんじゃ)などが焼失した記録が残る。このため、なだらかな山麓は厚い自然林に覆われるが、およそ標高1000メートル以上は赤褐色の地肌がむきだしになっている。
山頂には天ノ逆鉾(あまのさかほこ)があり、銅製で長さ140センチメートル、霧島山信仰の御神体である。また、高千穂峰は、宮崎県高千穂町とともに、天孫降臨神話の伝説地であるが、諸説があり確定はしていない。南西部山麓鹿児島県側に霧島神宮、東部山麓宮崎県側に霧島東神社、狭野(さの)神社があるが、霧島岑神社の噴火による被災の後、それぞれ分かれて設立されたという。高千穂河原(がわら)より山頂まで徒歩約1時間30分。
[横山淳一]
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出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報
…これらの楯状火山の山体上および周辺地域では,おもに更新世末以降現在に至るまでの期間に,多くの場所で噴火活動が起こり,安山岩質の比較的小規模な火山体や火口が多数形成された。韓国岳,大浪池(1411m),新燃(しんもえ)岳(1421m),中岳(1332m),御鉢(おはち)(約1400m),高千穂峰(1574m)などの霧島火山中央の山頂部を構成する山体,並びに飯盛山(846m),甑(こしき)岳(1301m),夷守(ひなもり)岳(1344m),大幡山(1353m)などの山体,さらに六観音御池(ろくかんのんみいけ),白紫(びやくし)池,不動池,大幡池,御池(みいけ)などの火口はこの時期に形成された。これらの火口や火山体は,生成時期が新しいため,いずれも山体の開析はあまり進んでいない。…
※「高千穂峰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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