日本大百科全書(ニッポニカ) 「柳津」の意味・わかりやすい解説
柳津(町)
やないづ
福島県西部、河沼郡(かわぬまぐん)の町。只見川(ただみがわ)とその支流滝谷川(たきやがわ)に沿う。1942年(昭和17)町制施行。1955年大沼郡西山(にしやま)村と合併。只見川に沿ってJR只見線、国道49号、252号が通じ、西部を国道400号が縦断する。町域を通らないが、近くに磐越(ばんえつ)自動車道の会津坂下(ばんげ)インターチェンジがある。中心地区の柳津は只見川と滝谷川の合流点付近にあり、大同(だいどう)年間(806~810)に徳一(とくいつ)の創建と伝えられる日本三大虚空蔵堂(にほんさんだいこくうぞうどう)の一つ円蔵寺の門前町として発達した。近世は会津藩領で、越後(えちご)裏街道の宿駅であった。町域の大部分は山地で、降雪量が多く特別豪雪地帯に指定されている。農林業が主体で、只見川沿いに水田がある。滝谷川沿いには西山温泉、柳津に柳津温泉がある。門前町の奥之院弁天堂は国指定重要文化財。只見川魚淵(うおぶち)の「柳津ウグイ生息地」は国指定天然記念物。面積175.82平方キロメートル、人口3081(2020)。
[安田初雄]
『『柳津町誌』上下(1974~1977・柳津町)』
柳津(岐阜県)
やないづ
岐阜県南西部、羽島郡(はしまぐん)にあった旧町名(柳津町(ちょう))。現在は岐阜市の南部にあたる一地区。旧柳津町は1956年(昭和31)柳津村が佐波(さば)村を編入して町制施行。2006年(平成18)岐阜市に編入。名古屋鉄道竹鼻線が通じる。古くからの集落は境川(旧、木曽(きそ)川)沿いの自然堤防上に立地し、伝統的な機業が根強く続いている。また、佐波地区の後背湿地には岐阜流通業務団地が造成され、卸売り、運輸、倉庫の3業務を中心に発展拡充しつつある。同地区にはビニルハウスによる電照栽培のイチゴの特産がある。1971年建設の岐阜天文台や、岐阜聖徳学園大学の羽島キャンパスがある。
[上島正徳]
『『柳津町史 柳津編・佐波編』(1972・柳津町)』
柳津(宮城県)
やないづ
宮城県北東部、登米市(とめし)東部の一地区。新旧北上川(きたかみがわ)の分岐点に位置し、近世以来、水陸交通の要地で、国道45号が通じる。JR気仙沼(けせんぬま)線柳津駅があり、BRT(バス高速輸送システム)と接続している。
[編集部]