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明晰判明 めいせきはんめいclara et distincta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

明晰判明
めいせきはんめい
clara et distincta

デカルトの用語。確実な認識の指標となる性質。明晰とは明白なことをいい,判明とは明晰なもののなかでさらにほかから区別されているものをいう。ライプニッツの体系によれば,明晰は曖昧模糊 obscuraに,判明は雑然 confusaと対立し,判明である条件は説明ができることにある。

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大辞林 第三版の解説

めいせきはんめい【明晰判明】

〘哲・論〙
概念の定義が明確であること。
デカルトでは、精神に疑う余地なく現れる認識を明晰といい、明晰であり同時に他から明確に区別される認識を判明という。彼は明晰判明を真理の基準とした。 → コギト-エルゴ-スム

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

明晰判明
めいせきはんめい
clara et distinctaラテン語

デカルトは、観念の明晰判明であることをもって真理の規準とした。彼の方法の四則の第1、いわゆる明晰判明知の規則には、「私がそれを疑ういかなる理由もないほどに、明晰にかつ判明に私の精神に現れるもの以外の何ものも、私の判断のうちに取り入れないこと」とある。デカルトはこの規則に従って、すべての知識を疑ったあげく、「われ思う、故にわれ在り」という彼の哲学の第一原理に到達したのであった。彼の定義によると、明晰とは「注意する精神に現前し、かつあらわである認識」をいい、判明とは「明晰であると同時に、他のすべてからはっきりと区別されていて、明晰なもの以外の何ものも自らのうちに含んでいない認識」をいう。明晰判明に対立するのが曖昧(あいまい)obscura(ラテン語)で混乱したconfusa(ラテン語)認識である。ライプニッツは、デカルトの明晰判明知の規則は心理的なものをよりどころとしているため曖昧であり、真理の十分な規準とはなりえず、客観的真理へ至る真の方法はもっぱら正確な概念的、論理的操作に基づかなければならない、と批判した。[坂井昭宏]
『デカルト著、野田又夫訳『方法序説』(中公文庫) ▽デカルト著、桂壽一訳『哲学原理』(岩波文庫)』

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