四則(読み)シソク(その他表記)arithmetic operations

デジタル大辞泉 「四則」の意味・読み・例文・類語

し‐そく【四則】

足し算引き算掛け算割り算四つ算法。加・減・乗・除。また、これを用いてする計算

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精選版 日本国語大辞典 「四則」の意味・読み・例文・類語

し‐そく【四則】

  1. 〘 名詞 〙しそくざん(四則算)数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「四則」の意味・わかりやすい解説

四則 (しそく)
arithmetic operations

分数の間では,次のような演算ができる。

この和,差,積,商を得る4種類の基本的演算,加法減法乗法除法四則演算という。ただし,除法では0で割ることは考えない。四則演算は有理数どうしに限らず,二つの実数複素数の間でも可能である。一方,二つの整数の和,差,積は整数であるので,整数の範囲内で,加法,減法,乗法は可能であるが,7÷8のように,商はかならずしも整数とはならず,除法は可能とは限らない。また,二つの自然数の和,積は自然数であるが,29-33のように,差はかならずしも自然数とはならず,自然数の範囲内では減法も可能とは限らない。一般に,四則演算が可能な集合を体という。上の例では,有理数の集合,実数の集合や複素数の集合は体であるが,整数の集合や自然数の集合は体ではない。

 ところで,四つの演算のうち,加法と減法,乗法と除法は,それぞれ逆演算である。また,加法,乗法については,結合法則交換法則が,さらに,加法と乗法の間では,加法に対する乗法の分配法則が成り立つ。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四則」の意味・わかりやすい解説

四則
しそく
four rules

加法減法乗法除法の4つの算法をまとめて,四則あるいは四則計算という。任意の実数をa,bとするとき,a,bを,+で結合することを加法といい,加えた結果a+bを,aとbの和という。また,b+x=aを満足するxを求めることを減法 (aからbを引く) といい,このxをa-bと書いて,これをaとbの差という。a,bの乗法とは,×または・ (掛け算の意味) でa,bを結合することで,掛けた結果a×bあるいはa・b (単に abとも書く) をaとbの積という。またb×x=a (b≠0) を満足するxを求めることを除法 (aをbで割る) といい,このxをa÷bまたはa/bと書いて,これをaとbの商という。ただし,このような掛け算の意味以外に,一般の代数系において,2元の結合をつくる算法を乗法ということもある。加法,乗法については交換法則,結合法則,分配法則,簡約法則が成り立つ。また減法と除法は,それぞれ加法と乗法の逆算である。

(1) 交換法則
  a+b=b+a
  a×b=b×a
(2) 結合法則
  a+ (b+c) = (a+b) +c
  a× (b×c) = (a×b) ×c
(3) 分配法則
   (a+b) ×c=a×c+b×c
(4) 簡約法則
  a+c=a+bならばc=b
  a×c=a×bならばc=b (a≠0)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「四則」の意味・わかりやすい解説

四則
しそく

加法、減法、乗法、除法の四つの計算を総称していう。加法と減法、乗法と除法は、それぞれ、
  (a+b)-b=a, (a-b)+b=a,
  (a×b)÷b=a, (a÷b)×b=a
のように、互いに逆の計算になっている。また、a-b=a+(-b), a÷b=a×(1/b)のように、減法は符号反対の数を加える加法、除法は逆数を乗ずる乗法に直すことができる。加法については交換法則a+b=b+aおよび結合法則(a+b)+c=a+(b+c)が、乗法については交換法則a×b=b×aおよび結合法則(a×b)×c=a×(b×c)が、加法と乗法については分配法則a×(b+c)=(a×b)+(a×c)が成立する。さらに、加法については0、乗法については1が、特別な意味をもっている。どんな数aに対しても、a+0=0+a=a, a×1=1×a=aである。さらに、0については、a×0=0×a=0となる。

 式の四則の計算の順序は次のとおりである。

(1)加減だけ、あるいは乗除だけの式の計算は、通常の順序に従う。

(2)加減と乗除が混じっている式の計算は、乗除の計算を先に行い、その次に加減の計算を行う。

(3)括弧(かっこ)が入っている式の計算は括弧の中の計算を先にする。

[三輪辰郎]

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百科事典マイペディア 「四則」の意味・わかりやすい解説

四則【しそく】

数に関する四つの基本演算,つまり加・減・乗・除法。四則演算は二つの有理数どうし,実数どうし,複素数どうしの間で,0による除法以外はすべて可能(一般に四則演算が成り立つ集合を(たい)という)。なお,整数の集合,自然数の集合では,3÷5や3―5のように,演算の結果が,整数や自然数とはならず,整数の集合では除法が,自然数の集合では減法と除法が可能とは限らない。
→関連項目数(数学)

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