分数の間では,次のような演算ができる。
この和,差,積,商を得る4種類の基本的演算,加法,減法,乗法,除法を四則演算という。ただし,除法では0で割ることは考えない。四則演算は有理数どうしに限らず,二つの実数や複素数の間でも可能である。一方,二つの整数の和,差,積は整数であるので,整数の範囲内で,加法,減法,乗法は可能であるが,7÷8のように,商はかならずしも整数とはならず,除法は可能とは限らない。また,二つの自然数の和,積は自然数であるが,29-33のように,差はかならずしも自然数とはならず,自然数の範囲内では減法も可能とは限らない。一般に,四則演算が可能な集合を体という。上の例では,有理数の集合,実数の集合や複素数の集合は体であるが,整数の集合や自然数の集合は体ではない。
ところで,四つの演算のうち,加法と減法,乗法と除法は,それぞれ逆演算である。また,加法,乗法については,結合法則,交換法則が,さらに,加法と乗法の間では,加法に対する乗法の分配法則が成り立つ。
執筆者:西村 純一
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
加法、減法、乗法、除法の四つの計算を総称していう。加法と減法、乗法と除法は、それぞれ、
(a+b)-b=a, (a-b)+b=a,
(a×b)÷b=a, (a÷b)×b=a
のように、互いに逆の計算になっている。また、a-b=a+(-b), a÷b=a×(1/b)のように、減法は符号反対の数を加える加法、除法は逆数を乗ずる乗法に直すことができる。加法については交換法則a+b=b+aおよび結合法則(a+b)+c=a+(b+c)が、乗法については交換法則a×b=b×aおよび結合法則(a×b)×c=a×(b×c)が、加法と乗法については分配法則a×(b+c)=(a×b)+(a×c)が成立する。さらに、加法については0、乗法については1が、特別な意味をもっている。どんな数aに対しても、a+0=0+a=a, a×1=1×a=aである。さらに、0については、a×0=0×a=0となる。
式の四則の計算の順序は次のとおりである。
(1)加減だけ、あるいは乗除だけの式の計算は、通常の順序に従う。
(2)加減と乗除が混じっている式の計算は、乗除の計算を先に行い、その次に加減の計算を行う。
(3)括弧(かっこ)が入っている式の計算は括弧の中の計算を先にする。
[三輪辰郎]
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