明眸皓歯(読み)メイボウコウシ

デジタル大辞泉 「明眸皓歯」の意味・読み・例文・類語

めいぼう‐こうし〔‐カウシ〕【明××皓歯】

杜甫「哀江頭」から》美しく澄んだひとみと白く整った歯。美人のたとえにいう。

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精選版 日本国語大辞典 「明眸皓歯」の意味・読み・例文・類語

めいぼう‐こうし‥カウシ【明眸皓歯】

  1. 〘 名詞 〙 美しく澄んだ眸(ひとみ)と白くととのった歯。また、その人。美人のたとえに用いる。
    1. [初出の実例]「明眸皓歯の、気量よい美人」(出典:唐詩選国字解(1791)七言古)
    2. [その他の文献]〔杜甫‐哀江頭詩〕

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四字熟語を知る辞典 「明眸皓歯」の解説

明眸皓歯

澄んだ美しいひとみと、白く美しい歯。美しい人の形容

[使用例] 町に、一二を争う材木どんごうしょう尾山松蔵のむすめで、色白の大柄、明眸皓歯にこやかに、全級がこれを美とするのは僕も同感であった[佐藤春夫*わんぱく時代|1958]

[使用例] 明眸皓歯をうたわれた高峰秀子もまた、虫メガネを片手にショボショボと辞書をひき、月に一度の歯医者通いでヒイヒイ言っている[高峰秀子*わたしの渡世日記|1976]

[使用例] 昔の人は“明眸皓歯”と言って、とかく顔の美しさだけを問題としたが、これは明らかにエリート化の思想であって、東大卒だけを優遇するに等しい[とうたかしべん話術|1983]

[解説] 唐代の詩人・の「こうとうかなしむ」という詩に見えることばです。
 げんそう皇帝ようが亡くなった後、作者は離宮のあるきょっこうのほとりへ足を運び、昔をしのびます。皇帝のちょうあいを受けた楊貴妃おもかげを思い浮かべ、こんなふうに歌います。
 「明眸皓歯 今いずくにかある」(=あの澄んだひとみ、白い歯の人はどこに行ってしまったのだろう)
 こういう描写を読むと、白い歯を美しいと思う感覚古今を通じて変わらないのだ――と思いたくなります。
 ただ、日本の古典文学では、白い歯が美しいという表現は一般的ではありませんでした。「源氏物語」などに出てこないのはもちろん、「つつみちゅうごん物語」のむしずる姫君は、お歯黒もつけずに白い歯で笑っている、と否定的に描かれます。
 日本で白い歯が好まれるようになったのは、時代的には新しそうです。「芸能人は歯が命」という一九九〇年代のテレビC Mは、現代ならではのものです。

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世界大百科事典(旧版)内の明眸皓歯の言及

【歯】より

…白い光沢のある形のそろった歯が整然と並ぶのをよいとするのはどの民族でも同じである。美人の形容に使われる〈明眸皓歯(めいぼうこうし)〉(目もとが美しく,歯が白いこと)の〈皓〉は潔白精瑩のさまをさし,〈白い碁石〉のたとえはハマグリやシャコガイ,白瑶を思い出させ,英語にはteeth like pearls(真珠のような歯)などという表現がある。 ヒト以外の霊長類を含む哺乳類はすべて,上下の切歯がその切縁で互いに接する鉗子咬合である。…

※「明眸皓歯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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