有馬頼義(読み)アリマヨリチカ

デジタル大辞泉 「有馬頼義」の意味・読み・例文・類語

ありま‐よりちか【有馬頼義】

[1918~1980]小説家東京の生まれ。頼寧よりやすの子。推理小説ブームの一翼を担い、「終身未決囚」で直木賞受賞。昭和45年(1970)には文芸雑誌早稲田文学」の編集長となる。他に「四万人の目撃者」など。映画兵隊やくざ」シリーズの原作者としても知られる。

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20世紀日本人名事典 「有馬頼義」の解説

有馬 頼義
アリマ ヨリチカ

昭和期の小説家



生年
大正7(1918)年2月14日

没年
昭和55(1980)年4月15日

出生地
東京

学歴〔年〕
第一早稲田高等学院中退

主な受賞名〔年〕
国民演劇脚本(情報局賞 第4回)〔昭和19年〕「晴雪賦」,直木賞(第31回)〔昭和29年〕「終身未決囚」,日本探偵作家クラブ賞(第12回)〔昭和34年〕「四万人の目撃者

経歴
早くから小説を書き始め、早稲田高等学院在学中の19歳で短編集「崩壊」を刊行。その後3年ほど中国に従軍、帰国して同盟通信(現・共同通信)社会部記者に。終戦後は日刊スポーツ記者になったが、小説を書き続け、29年には「終身未決囚」により直木賞を受け、本格的作家生活に入る。34年推理小説「四万人の目撃者」で探偵作家クラブ賞を受け、推理小説ブームの創成期を担った。45年に第7次「早稲田文学」編集長。47年ガス自殺未遂をおこすが、48年からは東京空襲を記録する会の理事長として活躍した。父は旧久留米藩主・元伯爵の有馬頼寧。野球好きとしても有名で、東京セネスタースのオーナーだった。「有馬頼義推理小説全集」(全5巻 東邦出版社)がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「有馬頼義」の意味・わかりやすい解説

有馬頼義
ありまよりちか
(1918―1980)

小説家。伯爵有馬頼寧(よりやす)の三男として東京に生まれる。第一早稲田(わせだ)高等学院中退。在学中に小説集『崩壊』(1937)を刊行。1940年(昭和15)入隊、満州(中国東北)に派遣される。除隊後は同盟通信社記者となる。1954年『終身未決囚』で直木賞を受賞。その後『四万人の目撃者』(1958)などで、松本清張と並んで戦後の推理小説ブームの一翼を担う。ほかに、疎外された人間の運命を暗い色調で描いた『失脚』(1958)、『葉山一色海岸』(1959)、『遺書配達人』(1960)などがある。

[千葉俊二]

『平野謙著『有馬頼義』(『平野謙全集9』所収・1975・新潮社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有馬頼義」の意味・わかりやすい解説

有馬頼義
ありまよりちか

[生]1918.2.14. 東京
[没]1980.4.15. 東京
小説家。旧久留米藩主の伯爵有馬家に生れ,学習院初等科を経て成蹊高等学校,早稲田第一高等学院に学んだが,いずれも中退。父頼寧 (よりやす) は戦犯容疑者として収監されたこともある。短編集『終身未決囚』 (1954) で直木賞を受賞。血統その他の理由で疎外された人間を好んで取上げる一方,『四万人の目撃者』 (58) ,『リスとアメリカ人』 (59) などを書いて松本清張とともに推理小説興隆のにない手となった。ほかに『失脚』 (58) ,『葉山一色海岸』 (59) ,『遺書配達人』 (60) などがある。また『東京空襲戦災誌-都民の空襲体験記録集-』 (73) をまとめた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「有馬頼義」の解説

有馬頼義 ありま-よりちか

1918-1980 昭和時代の小説家。
大正7年2月14日生まれ。有馬頼寧(よりやす)の3男。20歳で短編集「崩壊」を出版後,満州(中国東北部)で3年間軍隊生活。昭和29年「終身未決囚」で直木賞,成蹊大野球部監督の経験をいかした「四万人の目撃者」で34年日本探偵作家クラブ賞。39年の「貴三郎一代」は大映で「兵隊やくざ」と題して映画化され,ヒットシリーズになった。昭和55年4月15日死去。62歳。東京出身。早稲田第一高等学院中退。

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367日誕生日大事典 「有馬頼義」の解説

有馬 頼義 (ありま よりちか)

生年月日:1918年2月14日
昭和時代の小説家
1980年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の有馬頼義の言及

【有馬頼寧】より

…有馬記念競馬はその功績を記念したもの。作家有馬頼義(よりちか)(1918‐80)は三男。【森 武麿】。…

※「有馬頼義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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