望族(読み)ぼうぞく(その他表記)wàng zú

精選版 日本国語大辞典 「望族」の意味・読み・例文・類語

ぼう‐ぞくバウ‥【望族】

  1. 〘 名詞 〙 人望があり名声の高い家柄門閥家
    1. [初出の実例]「凡四姓之入吾門皆称釈氏、以其乞食而資命、乞法而資一レ身也。亦何貴胄望族之有哉」(出典:狂雲集(15C後))
    2. [その他の文献]〔秦観‐王倹論〕

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改訂新版 世界大百科事典 「望族」の意味・わかりやすい解説

望族 (ぼうぞく)
wàng zú

中国,六朝・隋・唐期の名族をいう。〈望〉は人々からのぞみ見られるの意で,当時,風格などの〈風〉とならんで,門望郷望などと個人ないしはその家固有の価値を示すことばとして好んで用いられた。高級官僚を輩出した門閥貴族一般をも指すとともに,学問徳行をつんで地域社会の統率・指導につとめた人およびその家をいう。たとえば山東省の望族と称された劉善明は,その地がはげしい飢饉に見舞われたとき,自分も粥をすすって蓄米を放出し,飢民の救済につとめた。このために人々は,劉善明の家の田を〈続命田〉(命をながらえさせてもらった田)と呼んであがめた。
貴族
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普及版 字通 「望族」の読み・字形・画数・意味

【望族】ぼう(ばう)ぞく

名望の家柄。宋・秦観〔進論、王倹論〕王・謝の二氏は、最も族爲(た)り。江左(江東、晋の南渡をいう)以來、將相の其の門に出づる、十の七・なり。

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