デジタル大辞泉
「望」の意味・読み・例文・類語
もち【▽望】
1 陰暦十五夜の月。満月。もちづき。
2 陰暦で、月の15日。もちの日。
「富士の嶺に降り置く雪は六月の―に消ぬれば」〈万・三二〇〉
ぼう〔バウ〕【望】
地球が太陽と月との間にあり、月と太陽の黄経の差が180度になる時。また、その時の月。満月。また、陰暦の15日。
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のぞみ【望】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「のぞむ(望)」の連用形の名詞化 )
- ① 遠く離れてながめやること。遠く見やること。ながめ。眺望。
- [初出の実例]「思ふそら 安けなくに 嘆くそら 安けなくに 青浪に 望(のぞみ)は絶えぬ 白雲に 涙は尽きぬ」(出典:万葉集(8C後)八・一五二〇)
- ② そうしたい、そうありたいと願うことがら。希望。ねがい。
- [初出の実例]「こののぞみを聞き給ひて、いとはなやかに、うち笑ひ給ひて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
- ③ 将来よくなりそうな見込み。将来の発展が期待されるようなみどころ。
- [初出の実例]「前途に望(ノゾ)みある少年の政治家なり」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉中)
- ④ 人望。名望。
- ⑤ 歌舞伎で、特別の工夫。その時限りの特別の注文。
- [初出の実例]「ぶたいのまんなか桜の木、望みあり」(出典:歌舞伎・けいせい嵐山(1739)序中入之壱)
望の補助注記
①の挙例の「万葉‐一五二〇」については②の意とする説もあるが、②は漢文の訓読から発生したともいわれ、「古事記」や「日本書紀」での「望」字の意味から①とする説が有力である。
もち【望】
- 〘 名詞 〙
- ① 「もちづき(望月)[ 一 ]」の略。
- [初出の実例]「月は望(モチ)に近く、路上は明るかった」(出典:美しい星(1962)〈三島由紀夫〉一)
- ② 陰暦で月の一五日。
- [初出の実例]「富士の嶺に降り置く雪は六月の十五日(もち)に消ぬればその夜降りけり」(出典:万葉集(8C後)三・三二〇)
ぼうバウ【望】
- 〘 名詞 〙
- ① 太陽と月の視黄経の差が一八〇度のときをいう。満月。望月(もちづき)。もち。〔元和本下学集(1617)〕 〔易経‐中孚卦〕
- ② 陰暦の一五日の異称。
- ③ 漢方診断法の一つ。肉眼で患者を観察すること。視診。
- [初出の実例]「先病人に望(のぞみ)、容体を見るを望(ボウ)と云」(出典:都鄙問答(1739)四)
のぞま
し【望】
もうマウ【望】
- 〘 名詞 〙 満月。もちづき。また、陰暦の一五日。ぼう。〔名語記(1275)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「望」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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望
ぼう
full moon
衝にある月。地球に向いた半面全体が太陽に照されて輝き,光度は-12.6等となる。いわゆる満月のことで,朔 (新月) に対する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の望の言及
【朔望月】より
…太陽に対して月が天球を一周する時間で,29.530589日。太陽と月の黄経の差が0度のときを朔といい,180度のときを望という。ある朔から次の朔まで(あるいはある望から次の望まで)を朔望月という。…
【衝】より
…したがって,衝のころは惑星の表面の観測や暗い小惑星の位置観測の好機である。なお,満月は月の衝にあたり,これを〈望〉という。【湯浅 学】。…
【満月】より
…月と太陽の視黄経の差が180゜となる瞬時,すなわち望のこと,またそのときの月をいう。月と太陽は地球を中にほぼ反対側にある(正反対のときは月食)。…
※「望」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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