木流村(読み)きながせむら

日本歴史地名大系 「木流村」の解説

木流村
きながせむら

[現在地名]五個荘町木流

おく村の西にあり、北は三俣みつまた村、西は新堂しんどう村。元亨三年(一三二三)八月六日の官宣旨案(東京大学史料編纂所蔵長元至寛徳度改元勘文紙背文書)に木流郷とあり、建部たけべ(現大津市)の神用料に充てられた。応永二八年(一四二一)五月一〇日の建部庄保司方百姓等起請文(天龍寺文書)では木流郷内の百姓一〇名らが京都天龍寺に対し年貢勤納などを誓っている。慶長三年(一五九八)七月の御蔵入目録(浅野家文書)では高六六九石余、寛永石高帳では六四三石余。領主の変遷はなか村と同じ。明暦二年(一六五六)検地帳(木流区有文書)では反別三四町三反余。明治初年の村絵図(五個荘町蔵)では村域中央部から東部にかけての耕地は、大倉おおくらの林地など一部を除いて水田化されており、用水はもっぱら今井川いまいがわ用水に依存していた。


木流村
きながしむら

[現在地名]会津若松市高野町こうやまち木流きながし

せせなぎ川を挟んで両岸に集落があり、橋本木流はしもときながし平塚木流ひらつかきながし西木流にしきながしの三区が集まり一村をなしていた。南は鶴沼つるぬま村、東は藤倉ふじくら(現河東町)。橋本木流は溷川の両岸にあり、その西四町一〇間余に西木流、橋本木流の南東八町一〇間余に平塚木流がある。平塚木流の北二町一〇間に小名上沼うわぬま、平塚木流の北西二町四〇間に端村屋敷やしきがある。村名は藤倉村二階堂を建立した時、材木の余材を流木にして運び、当村に観音堂を建てたことにちなみ、材木を流した川を大工だいく川とよんだという(新編会津風土記)。文禄三年(一五九四)の蒲生領高目録では河沼郡のうちに村名があり、高六三一石余。高久組に属し、文化一五年(一八一八)の村日記では高一千一〇八石余。


木流村
こながせむら

[現在地名]小木町木流

大浦おおうら村の西、西に長手ながて崎を挟んで田野浦たのうら村が続く。北は海に面し、南の背後山地井坪いつぼ村のうち大浦の一部が独立して成立したとされる。元禄七年(一六九四)の検地帳(木流区有)では田二町一反余・畑五町五反余。屋敷持は一五筆で、海岸寄りの地字浜通り・浜に集中する。地字越ノ道に新御林がある。除地は真言宗安養あんよう坊にある。同一四年の証文(同区有)によると、江積えつみ村の百姓が安養坊へ田野浦のうちにある自分持の秣場を寄進している。延享四年(一七四七)の一札(同区有)によると、当村地先では井坪村が漁獲を行っており、同村の御用木の供出も当村より堂釜どうのかまへ運んでいた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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