出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…本来の説経節の特徴や魅力をうかがわせるのは,明暦以前の正本である。
[詞章と特徴]
明暦以前の説経節をかりに古説経と呼ぶなら,それらの作品の冒頭には,〈国を申さば丹後国,金焼(かなやき)地蔵の御本地(ごほんじ)を,あらあら説きたてひろめ申すに〉(《山荘太夫》)といった本地語りがある。この詞章を見ると,七五調またはその変形を単位として語られることがわかり,丹後を信濃に,金焼地蔵を親子地蔵に変化させると《苅萱》の本地語りにも転用できることがわかる。…
…日本の神祇と仏菩薩の関係を説くために考え出された理論を本地垂迹説という。本地垂迹の語はもと《法華経》寿量品にあり,永遠不滅の理想的釈迦を本地とし,歴史的現実の生身となって布教した釈迦を垂迹とするもので,これを神仏の関係に転用したのである。…
…その基準句は図の[3]のように配列され,第2拍に当ててうたい出し,1文字を1拍に当てる。 譜例のように,8個の拍で1句を構成するのを〈本地(ほんじ)〉と呼ぶが,字数のごく少ない句とか,とくにリズム上の技巧を加えた句などでは,8拍以外の拍で,句を構成する例もある。そうした変則のものには,4拍から成る〈トリ〉や,6拍から成る〈片地〉,2拍から成る〈オクリ〉などがあるが,トリがよく用いられる以外はあまり用例は多くない。…
…これらの場合の拍配置が,基準句の拍配置とどう違ってくるかということについて一定の法則がある。また,どのノリ型も,1句8拍の本地(ほんじ)と称する句を基本としているが,ほかに1句4拍のトリと称する句がまじり,まれには1句6拍の片地(かたじ)や1句2拍のオクリと称する句が置かれている。無拍である拍子不合の謡が大きな部分を占めるのも能の特色である。…
※「本地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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